1000㎡超の大型木造オフィス・倉庫 得意分野を持つ工務店チームで実現
事例⑥ 池田住建企画(長野県須坂市) 物件:興和ゴム工業社屋(長野県須坂市)
鉄骨造のコスト高騰が転機に
長野県須坂市で実現した、延床面積1000㎡規模のゴム製造会社のオフィス兼倉庫プロジェクト。事業費4億円に上るこの大規模案件を受注したのは、親子2人で経営する地元の工務店、池田住建企画である。
今回のプロジェクトは、長野県須坂市に拠点を置く興和ゴム工業の新社屋および倉庫の建て替え計画から始まった。当初、この計画は鉄骨造(S造)で進められており、地元のゼネコンとの商談が進んでいた。
しかし、折からの資材価格高騰の影響により、見積額が予算を大幅に超過。計画は一時中断し、宙に浮いた状態となった。その際、施主企業の専務から漏れた「木造なら安くなるのではないか?」という一言が、運命を変えることになる。
池田住建企画は、長年、興和ゴム工業の工場のメンテナンスを担当し、深い信頼関係を築いていた。二代目の池田安信代表は即座に、以前から中大規模木造の可能性を提唱していたサトウ工務店(新潟県三条市、社員5名)の佐藤高志代表に相談を持ちかけたのである。
「アベンジャーズ」のような専門家チームの結成
前述したとおり池田住建企画は親子2人で営む街の工務店である。1000㎡超という規模、かつ非住宅特有の法規や構造計算を、自社リソースだけでこなすのは現実的ではない。
そこで佐藤氏が提案したのは、「得意分野を持つ仲間を集めた『アベンジャーズ』のような外部チームの結成」であった。佐藤氏を中心にスペシャリストが招集された。
構造設計は中大規模木造の構造計算において豊富な実績を持つウッド・ハブ合同会社(新潟県三条市、實成康治代表、社員3名)が担当。その他、実施設計は図面作成に特化した高い集中力と精度を持つイロハスタジオ(新潟県新潟市、石田泰弘代表、社員1名)、法規監修は太陽建設(新潟県新潟市、平山武代表、社員2名)、さらに、設備・照明・造園、それぞれの分野で「一芸」に秀でたプロフェッショナルが集まった。
このチームの特徴は、社内の部署という縦割りではなく、「プロ同士のフラットな連携」にある。「社内だと自分の仕事のラインが決まっているが、気心の知れた仲間同士だと、相手の領域に少し踏み込んでフォローし合える。この『お節介』の連鎖が、初めて取り組む大規模物件の精度を上げた」と佐藤氏は振り返る。

信頼が生んだJV(共同企業体)の形
プロ同士の補完関係を構築
今回のプロジェクトでは、資金繰りや与信の問題をクリアするため、地元のゼネコンであるマツナガ建設と共同企業体(JV)を組んでいる。佐藤氏は「2人だけの工務店では、数億円単位の発注に対する与信や、大規模現場の安全管理を担保するのが難しい場合がある。そこで地元のゼネコンと組み、彼らの持つ組織力や資金力を活用した。一方で、木造の設計やノウハウは我々が提供する。この上下関係ではない、プロ同士の補完関係が今後の地方工務店の生きる道になる」と話す。
構造設計の専門家との早い段階での連携が成功の鍵
この記事はプレミアム会員限定記事です
プレミアム会員になると続きをお読みいただけます。
料金・詳細はこちら
新規会員登録
無料会員登録後にプレミアム会員へのアップグレードが可能になります
アカウントをお持ちの方
ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。
住まいの最新ニュース
リンク先は各社のサイトです。内容・URLは掲載時のものであり、変更されている場合があります。
イベント
内容・URLは掲載時のものであり、変更されている場合があります。
-
LINE WORKS、建設DXの実践事例を解説するオフライン交流会を開催
2026.06.04
-
ハンファジャパン、新エネルギーブランド「ENERICH」の説明会を開催
2026.05.29
-
ジャパンホームシールド、地盤対策のコスト最適化解説ウェビナーを開催
2026.05.28





