New   2026.7.17

「タイパ」「コスパ」を隠れ蓑にしてはいけない

 

「1Rや1Kで生活していると人間狂わない?」。先日、X(旧ツイッター)でこのような投稿が反響を呼んでいた。11㎡のワンルームに4年間住んでいた私は、とても共感した。洗濯物を干せば生活空間の半分が埋まり、キッチンは洗面台兼用で自炊できるスペースがなく、素うどんや卵かけご飯ばかり食べていた。今年、広さを最優先に転居したところ、以前より家事ができるようになり自己肯定感も向上した。気付かないところで心身の健康が失われていたのだろうと思う。

11㎡の部屋

食育白書では、「食生活よりも仕事や趣味が忙しい」と答える若年層が多いと紹介されていたが、その一因は住環境にもあるのではと思う。効率化され暮らしの豊かさが削られた結果、浮いた時間やお金が趣味に充てられているのではないか。

あるインテリアメーカーの担当者は、住環境が20年前に戻っているとして「がっかり、業界の努力は何だったのか」とこぼした。特に都市部の狭小賃貸については、「それで満足してはいけない」と話す。かつて国は、健康で文化的な生活の目安として単身者の居住面積を「25㎡」と定めていたが、先の「住生活基本計画」で削除された。これにより、生活の質が下がるような住まいが広がらないか不安がある。身の丈に合った小さな住まいの選択は否定しないが、「小さな家」と「生活の質を損なうほど狭い家」は違う。


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