地域の魅力を再発見し遊休不動産を活用

株式会社ワカヤマヤモリ舎

築50年の5階建て共同住宅をリノベ
ゲストハウスを創りエリアマネジメントを拡大

和歌山県和歌山市新通5丁目6番地。JR和歌山駅から、徒歩で15分ほどの新通(しんとおり)。江戸期は商業の中心地、戦後は繊維問屋街として栄えたところ。バブル崩壊後は人口減や高齢化もともない空き家も目立つようになった。ちなみに和歌山市の空き家率は19%(2018年)。そんななか、地域の魅力を再発見し遊休不動産や空き家の活用を手掛け注目されているのが宮原崇さん・麻里さん夫妻が運営の株式会社ワカヤマヤモリ舎だ。

宮原崇さん・麻里さん夫妻。テーブルは廃材、ソファは古いものの再利用と、あるものの活用のセンスが抜群に巧い

崇さんは和歌山市出身。大学卒業後に和歌山を離れ大阪と神戸の設計事務所で働いた。2014年和歌山市のリノベーションスクールに参加し、それを契機に会社を設立した。

麻里さんは茨城県日立市生まれ。父は和歌山市出身。父は両親から地元に戻ってきてほしいと言われ和歌山に近い兵庫県西宮市へ転勤。ここで暮らした。麻里さんは、大学で地域づくりに興味を持ち、卒業後、大阪の地域・商業コンサルタントの会社で商業施設の企画や町づくりの仕事を手掛けた。親のルーツである和歌山市に移住。知人の紹介で会ったのが崇さん。意気投合し二人三脚での街づくりが始まる。

5階建ての「ユタカビル」。1階にはコワーキングスペース・バー・シェアオフィスなどがある

株式会社ワカヤマヤモリ舎が運営するゲストハウスの建物自体が個性的だ。築50年の5階建て共同住宅「ユタカビル」。ここに入るきっかけは、市が主催したリノベーションスクールだった。これは遊休不動産を持つ不動産オーナーの空き家を提供するという方針で進められた。崇さんはスクールに興味をもち2回目に参加。物件が4つあり、それぞれ8人のチームで3日間かけて企画を練った。

祟さんが提案したのが、ゲストハウスを創り、そこを拠点に、地域でのエリアマネジメントを行い横に広げるという構想。「面白い」と賛同したのが自身の物件をスクールの授業に提供していた「ユタカビル」のオーナー(当時43歳)だった。こうしてオーナーも含む3名の役員で900万円を出資し会社を設立。少人数私募債で340万円を調達。日本政策金融公庫から1000万円の融資を受けて「ユタカビル」をリノベーションすることとなった。


この記事はプレミアム会員限定記事です。
プレミアム会員になると続きをお読みいただけます。

新規会員登録

(無料会員登録後にプレミアム会員へのアップグレードが可能になります)

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。