[農林水産省:食育白書]在宅時間増加で中食ニーズが拡大 テイクアウトなどが定着し食生活に大きな変化
白書を読み解く(後編)
在宅時間の増加により大きく変化したのが食事であろう。職場や地域での共食が大きく減少、外食が減り自宅食事を摂ることが増えた。これにともないデリバリーやテイクアウト需要が拡大、中食が広がる。食生活の変化は住まいにも変化を促しそうだ。
新型コロナウイルスの感染拡大は、生活者の行動のみならず意識、価値観にまで影響を与え、生活そのものが大きく変化した。外出が抑制されるなか、観光産業とならんで大きなダメージを受けたのが飲食産業であり、それが農林水産業や食品産業にも大きな影響を与えた。一方で、おうち時間が増加するなか、家族で食事を取る機会が増加し、”食”を見つめ直す契機にもなった。コロナ禍で住まいや暮らし方があらためてクローズアップされたが、その”暮らし”の大きな要素の一つが食事であることは間違いない。
「令和3年度 食育推進施策(食育白書)」では、こうした変化のなかで「家庭での食育の重要性が高まっている」と指摘している。
農林水産省の「食育に関する意識調査」によると、地域やコミュニティでの食事会の機会があれば「参加したいと思う」(とてもそう思う+そう思う)の割合は、2019年度の43.3%から2020年度には30.8%へと大きく減少した。2021年には36.7%と多少は増えたが、コロナ禍以前の数値とはまだ乖離がある。さらに「参加したい」と回答した人のうち、過去1年間に食事会等に「参加した」人の割合は、2019年度及び2020年度は70%を超えていたが、2021年度は42.7%と大幅に減少した(図1、2)。
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