ハウスメーカーの脱炭素化の取り組みが加速

住宅使用時、資材調達など〝スコープ3〟の削減を本格化

脱炭素社会の実現に向け、ハウスメーカー各社は、環境対策を強化し、計画を前倒しで推進しようとする動きを加速させる。自社事業におけるCO2排出量(スコープ1、スコープ2)のみならず、販売した建築・住宅の使用時を含むサプライチェーン全体のCO2排出量(スコープ3)削減に向け、様々な取り組みを展開する。販売した建物・住宅の使用時、また、資材調達におけるCO2排出量が全体の多くの割合を占めるだけに、スコープ3の削減が脱炭素貢献への鍵を握る。

地球温暖化の影響で異常気象に起因する災害などが世界規模で拡大する中、グローバル企業に対して、より高いレベルでの気候変動対策の要請が高まっている。情報開示・評価のイニシアチブ(CDP、RE100など)の影響力が拡大し、国内企業も対応を求められている。各イニシアテチブは、温室効果ガス(GHG)排出量の算定・報告の基準として「GHGプロトコル」を推奨。排出量を算定・報告する際の国際的な基準としてデファクトスタンダード化している。

具体的には、排出される温室効果ガスが、排出のされ方や排出者などによって、「スコープ1(直接排出量)」、「スコープ2(間接排出量)」、「スコープ3(そのほかの排出量)」の3つの区分に分けられる。また、これら3つの合計を「サプライチェーン全体の排出量」と定義。事業者自らの排出だけでなく、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生するGHGを指す。

国内のハウスメーカー各社も、脱炭素社会の実現に向けてGHG排出量を削減する取り組みを進め、計画を前倒しで実現しようとする動きが加速している。自社事業におけるGHG排出量(スコープ1、スコープ2)だけでなく、GHG排出量全体の約9割を占めるサプライチェーン全体におけるGHG排出量(スコープ3)の削減に着目し、それぞれの強みを生かした取り組みを加速させる。

大和ハウス工業
再エネ100%のものづくりから再エネ100%のまちづくりへ

大和ハウスグループのGHG削減目標

大和ハウス工業は2018年、世界で初めて3つの国際イニシアチブに同時に参画。パリ協定に沿った長期削減目標「SCIENCE BASED TARGET(SBT)」のほか、「事業のエネルギー効率を倍増させること」を目指す「EP100」、企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す「RE100」に参画。「GHG削減」、「省エネ」、「再エネ」について目標達成年を前倒し取り組みを加速する。


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