高断熱住宅時代の新常識 日射遮蔽・コントロール
地球温暖化の影響による猛暑の常態化を背景に、住宅における日射遮蔽への関心が高まっている。HEAT20は2025年、夏期・中間期に起こるオーバーヒートなどの高断熱住宅特有の課題を解決すべく、新たな性能水準を策定した。また、GX志向型住宅の普及によって、日射コントロールは快適性向上だけでなく一次エネルギー消費量削減の観点からも重要なテーマとなった。こうした中、建材メーカー各社は外付けシェードやブラインド、オーニング、日射遮蔽型ガラスなどの商品提案を強化している。各社の取り組みとともに、高断熱住宅時代に求められる日射遮蔽・コントロールのあり方を探った。
地球温暖化などの影響により夏の猛暑が常態化する中、住宅の省エネ化と快適性の両立が急務となっている。近年、エネルギー消費を抑えるために高断熱住宅の普及が進んでいるが、それに伴い新たな課題も浮上している。断熱性能の向上により、冬の暖かさを保てる一方で、一度室内に取り込まれた熱は逃げにくくなる。その結果、夏場だけでなく、春や秋といった中間期においても室温が上昇しすぎる「オーバーヒート問題」が顕在化している。
この問題に対し、(一社)みらい 建築・住宅研究機構(HEAT20)は昨年、戸建住宅の「夏期・中間期の性能水準」を策定。準セントラル空調を前提としたG1、G2、G3水準の住宅を対象に、省エネ基準レベルの住宅比で冷房顕熱負荷を40%削減する「G‐B」、同30%削減する「G‐A」の2つの水準を設けた。この水準を達成するための有効な策のひとつとして挙げられているのが、「開口部の日射遮蔽対策」だ。
日射遮蔽商品への注目高まる
窓メーカーが日射遮蔽対策をリード
こうした状況を受け、建材メーカー各社は夏の日射遮蔽対策の提案を強化している。特に室外側での日射遮蔽を強く推奨。外付けのシェード、シャッター、オーニングなどを活用し、窓の外で日差しをカットすることで、室温上昇を抑え、冷房費の大幅な削減を実現できる。こうしたなかで、夏の日射遮蔽対策をリードするのは窓メーカーだ。
LIXILは、高性能窓「TW」を中心に、窓単体の断熱性だけでなく、周辺部材を含めたトータルな開口部設計でカーボンニュートラル実現を目指す「GREEN WINDOW」の思想を掲げている。同社は高度な省エネ性能と快適な室内空間の両立を目指すビルダーに向けて、多彩な日射遮蔽商品を用意する。
「外付ブラインドEB」は、電動でスラット(羽根)の角度を季節や時間、生活シーンに合わせて調整でき、日差しや外部からの視線を遮りながら、光や風を取り入れて室内環境を自在にコントロールできるため南面の大開口窓や吹き抜けのFIX窓に適している。本格的なパッシブ設計を取り入れた住宅の採用例が多い。
一方、普及型の日射遮蔽手法として高い評価を得ているのが、窓の外側に設置するロールスクリーン「スタイルシェード」である。使用時以外はボックス内へ収納、使用時には引き下げてフックにかけるだけの設置で使い勝手が良く、日射熱カット率は80%以上で、紫外線も最大99%までカット。デザインバリエーションの豊富さも高い評価を得ている。さらに、サッシの枠や外壁に穴を開けずに最短10分(施工時間は現場の状況により異なる)で施工可能な独自の「アナノン構造」も設定しているほか、エクステリアのテラス屋根などにも対応可能で幅広い設置の仕方を選択できる。こうした設置の手軽さから新築リフォーム問わず採用が多い。
これらに加え、昨年の商品追加以降、好調に売上を伸ばしているのがモダンな住宅外観になじむフラットな板状ひさし「スリムアート」。昨年6月に出幅300〜600㎜のフラットタイプや、アームによってこれまでにない出幅900㎜を実現した「アームタイプ」を追加。アームタイプにはスタイルシェードを組み合わせることも可能で、日射熱を遮りながら心地よい屋外空間を創出できる。ひさしは上から降り注ぐ日差しを遮る役割が強いため、主に太陽高度の高い南面への設置が推奨されるが、雨よけとして、方位を問わず玄関ドアや勝手口ドアの上部への採用も多い。
特に、「外付ブラインドEB」と、ひさし商品「スリムアート」はBEI(建築物省エネ法で用いられる建築物の一次エネルギー消費量の指標)削減の計算に組み込むことができるため、新築段階で設置するビルダーも増えているという。
YKK APは、高断熱の「APW」樹脂窓シリーズを軸に、窓と日射遮蔽部材を組み合わせた提案を強化している。「断熱というと冬の印象が強いが、夏の冷房効果を高める役割もある」(住宅本部住宅商品部PM統括部次長 竹原立明 氏)として、カタログなどで組み合わせ方やその効果を分かりやすく提示している。
同社の代表的な日射遮蔽商品が、窓の外側に設置するロールスクリーンタイプの「アウターシェード」だ。窓の外で日差しを遮ることで、室内へ侵入する日射熱を大幅に抑制できる。近年の猛暑を背景に採用が広がっており、高断熱窓との組み合わせによって冷房負荷の低減に貢献する。外からの視線は遮りながら、室内側からは外の景色が良く見えることがポイントで、価格面からも導入しやすく人気が高い。
また、スリットシャッターや外付けブラインドは全閉した状態でもスリットやルーバーの調整により、光や風を取り込むことができ、日射遮蔽と採光・採風を両立しやすい。モデル棟での実証では、日射対策を何もしない場合、窓辺の床面の温度が40度だったのに対し、「リモコンスリットシャッターGR」を設置した窓辺は33度と大きく差が出た。また、「リモコンスリットシャッターGR」は、シャッターとしての性能も持ち合わせているため、日射対策だけでなく防犯性や防災性を向上できることも大きな強みだ。IoTとの連動も強化しており、年内にリモコンを刷新、スマートスピーカーや外出先からの操作を可能とする予定だ。

三協立山は、25年8月にアルミ樹脂複合窓の新シリーズ「エスティナ」を発売しているが、「開発にあたって日射遮蔽についても、もう少し窓で踏ん張らなければと検討の中に入れていた」(営業統括部営業企画部 商品企画一課 課長 三浦隆弘 氏)という。同社では、日射を単に遮るのではなく、取得と遮蔽を適切にコントロールすることが重要だと考えており、高断熱住宅時代に対応した商品提案を進めている。
「エスティナ」はスリムなフレーム設計によってガラス面積を最大化していることが特徴で、異なる窓種でも外形寸法をそろえられる優れた意匠性が設計者から高く評価されている。この窓とセットで提案するのが、外付けスクリーン「ラクシェード」だ。窓の外側で日射を遮り、室内への熱の侵入を抑制する。新築・リフォームの双方に対応し、メーカー品ならではの強風時の安全性や耐久性を備えている。
近年はシンプルな外観トレンドに合わせ、ひさしのない住宅も少なくない。こうした住宅では、実際に暮らし始めてから暑さを感じ、ラクシェードを後付けするケースが少なくない。「ラクシェード」の問い合わせやカラーバリエーションへの要望は増えてきており、日射コントロールについての関心は少しずつ高まってきているとみる。

専門メーカーが遮熱需要を取り込む
屋外空間創出や意匠性も訴求
外付けのオーニング、スクリーンなどを展開する総合メーカーも遮熱対策商品のラインアップを充実させ、差別化戦略を加速している。
テント・シート建材の総合メーカー、BXテンパルは、日射遮蔽と同時に心地よい屋外空間を作り出すオーニングの提案を強化している。
今年1月に発売した「エルパティオ・プラスソーラー」は、風力・陽光センサーが環境を感知し、強風や日差しに応じて自動でオーニングを開閉する先進的な製品だ。太陽光で蓄電したエネルギーで稼働するため、外部電源を必要とせず電気工事なしで導入できる。コンセントの位置や外壁への穴あけの心配がなく幅広い場所に取り入れられる。勾配角度は15~35度の範囲で調整可能で、西日などに合わせて柔軟に変更できるほか、地面からの照り返しを防ぐ目的で中庭などに設置するケースもある。出幅は2mまで対応しており、リビングなどの大開口窓にも設置しやすい。
同社は「エルパティオ・プラスソーラー」の発売に合わせて、ソーラーバッテリーユニット「ソルエレ」単体での販売も開始している。既存の「ニュースーパーマキシム」や「メロディー」などのオーニング製品に取り付けることができ、電動化、風力・陽光に応じたコントロールを可能にする。
オーニングによって生まれる「日陰の空間」は解放感をもたらし、アウトドアリビングのような使い方ができる点が生活者から支持されている。ロールスクリーンを組み合わせた「エルパティオ・プラスRS」なども用意されており、視線を遮りプライベートな空間を演出できる。「引き合いは好調で、例年よりも早い時期からオーニングの問い合わせが入っている」(開発企画部企画課)と、市場の手応えは十分だ。

網戸や窓まわりの省エネ建材を扱うセイキ販売は、外付け窓遮熱スクリーン「サングッド」を展開。窓の外側で日射熱を最大88%カットし、室内の急激な温度上昇を抑えることができるため、高断熱住宅を手掛ける事業者からの引き合いが増えている。
標準生地と高遮熱生地をラインアップしており、全体の3割程度が高遮熱生地だ。人気のカラーは標準仕様の中でも熱吸収率に優れた「ブラウン」で、室内からの視認性(透け感)も程よく確保されており、「機能と価格のバランスがいい」(営業企画推進室 室長 相楽淳 氏)ことが特長だ。一方で高遮熱生地は透け感が抑えられているため、よりプライバシー空間を重視したいユーザーに選ばれている。
意匠性と機能性の両立にもこだわっており、スクリーンを畳んだ際に風でボトムバーがガタガタと音を立てるのを防ぐため、ボックス内へバーをすっきりと収納できる設計を採用。生地を2枚連結した際も製品同士の隙間が小さくなるようシールドが工夫されており、光や風の漏れを最小限に抑える。サッシ枠やシャッター、雨戸付きの窓にも取り付けられるオプション金具も用意されている。
さらに同社は「サングッド」の提案と併せて室内側に設置する「ハニカム・サーモスクリーン」の提案も行う。六角形のハニカム(蜂の巣)構造で作られた空気層が高い断熱性を発揮する。2重の空気層でより高い断熱性能を出せるダブルハニカム構造と、操作性の良いシングルハニカムを用意している。これまでは冬期の寒さへの対策としてのPRが主であったが、今後夏期の冷房効率を向上する点でもPRしていく構えだ。

外付け部材の難しい場所に日射遮蔽ガラスも有効
日射をコントロールするには、「日射遮蔽性能」が高い窓ガラスを採用することも有効だ。ひさしや外付けシェードが設置しにくい窓でも、ガラス自体で日射をカットし、暑さ対策をすることができる。
ガラスメーカーの日本板硝子では、従来の断熱性能に加えて、高い日射遮蔽性能を併せ持つ商品の提案を強化している。
「スペーシアクール」は、標準的な真空ガラス「スペーシア」の優れた断熱性をさらに高めつつ、日射熱の流入を大幅に抑えるLow-E膜を施した商品。同社では地域ごとの講習会などを開催し、自治体ごとの補助制度の紹介や地域ごとに推奨される窓ガラスの使い方を紹介している。
非住宅では、オフィスなどで熱中症対策の観点から日射遮蔽性能の高いガラスへの付け替えニーズが高まっている。そこで同社では、ビル物件の改修に日射遮蔽型の「スペーシアクール」を提案。また、同等の日射遮蔽性能を誇りながら断熱性能を大幅に向上させた「スーパースペーシア」も展開しており、遮熱と断熱を求める官庁物件などに多く採用されている。
カタログやPPRリーフ製作においても、これまでは断熱性能を中心に紹介していたが、熱中症予防の観点から日射遮蔽への関心が高くなっており今まで以上に日射遮蔽性能性能を訴求していく予定だ。

「南面は日射取得、東西面は日射遮蔽」が基本
一方で、単純にすべての日射を遮ればよいわけではなく、方位や季節に応じたコントロールが求められる。冬季の暖房負荷削減を考えると、南面からの日射取得が非常に重要である。また、冬期と夏期、あるいは方位によって太陽の動く軌道や求められる性能が異なるため、多くのメーカーは「南面は日射取得、東西面は日射遮蔽」を基本とした提案を行っている。
LIXILは、南面には冬期の日射取得を考慮して日射取得型のガラスを選定し、夏期の上から降り注ぐ強い日差しはひさし商品「スリムアート」や軒などの建築的な設計で遮る。一方で、太陽高度が低く厳しい日差しが差し込む東西面には、日射遮蔽型のガラスに加え、「スタイルシェード」などを組み合わせることを提案。方位ごとの特性に合わせた「取得と遮蔽」のメリハリを重視している。
YKK APも南面には冬の日射熱を積極的に取り込む「日射取得型ガラス」を推奨し、冬季の日射熱を積極的に取り込むことで暖房負荷を低減しながら、太陽高度が高い夏の日射はアウターシェードや軒・ひさしを併用して遮る提案をしている。一方で、ひさしや軒を出しすぎると日射取得ができなくなってしまうため、出幅の調整は必要だとし、必要に応じて出し入れできるシェードを併せて活用してほしいとした。これに対し、朝日や西日による熱負荷がダイレクトにかかる東西北面には、「日射遮蔽型ガラス」を一貫して推奨する。
窓サッシについては、シミュレーションの結果、特に断熱性能の高い「APW 430」の使用が一次エネ削減に最も効果があったとして、「APW 430」を中心とした樹脂窓提案を強化する。
三協立山は、日射コントロールについて、「冬の暖房の方がエネルギーを消費するため、省エネの観点からはまず冬期の暖房負荷を下げることが最優先」(三浦氏)であるとし、南面には日射取得型ガラスを採用することを推奨。一方、東西面については遮蔽型ガラスとラクシェードを組み合わせる提案を行っている。特に西日は夏場の室温上昇への影響が大きく、同社では東西面への対策を重視している。さらに南面では、ひさしや軒といった建物形状による遮蔽の方が経済効果が高いケースもあるとして、建築計画段階からの日射設計の重要性を訴える。
三浦氏は、「個人的な考えではあるが、デザインや形状を今の時代に合わせ、日射遮蔽だけではなくデザイン性からも訴求できるようなひさしや、シェードが苦手とする外開きやすべり出しの窓にも設置できる日射遮蔽部材の開発が求められているのかもしれない」と話した。
一方で、日本板硝子は、「従来、関東以西は東面、西面の窓に日射遮蔽型の『スペーシアクール』、南面、北面は日射取得型の通常の『スペーシア』という使われ方が多かったが、近年は南面にも日射遮蔽性能の高い『スペーシアクール』を推奨している」という。特に住宅の形状や隣家との関係で軒やひさしを出せない(出さない)住宅も増えてきており、建物の向きや仕様に応じて南面への「スペーシアクール」の採用も伸びてきている。
日射遮蔽・コントロールが一次エネ削減への切り札に
さらに、制度面からも日射遮蔽・コントロールの重要性は高まっている。国がZEH水準を大きく上回る新たな省エネ住宅のベンチマークとして位置付けるGX志向型住宅において、一次エネルギー消費量(以下、一次エネ)の削減という観点から、日射コントロールは欠かせない要素となっている。夏の日射遮蔽や冬の日射取得を考慮しないと、冷暖房効率が落ちてしまい、一次エネを効果的に削減できないためだ。また、日射をコントロールする建材を適切に導入することで、住宅の省エネ計算においても明確なプラスの評価(削減効果)が得られ、GX志向型住宅の達成が有利になる。GX志向型住宅は、新築住宅向けの補助金制度「みらいエコ住宅2026事業」でも1戸あたり110万円(寒冷地等は125万円)の補助を行うなど支援が強化されており、今後さらなる普及拡大が見込まれている。
このように、これからの住環境において、高断熱化とセットで適切な日射コントロール対策を講じることは、GX志向の高断熱住宅を成立させるための必須の要件となっている。
LIXILは、「日射コントロールは、一次エネをGX志向型住宅の水準まで下げるコスパに優れた手段」だと話す。GX志向型住宅に求められる「断熱等級6」や「一次エネ35%削減」を達成しようとする際、すでに躯体の断熱性能は高いレベルに達しているため、それ以上に窓や壁の断熱性能を単体で引き上げても、一次エネ削減への投資対効果(コストパフォーマンス)は頭打ちになりやすい。そこで高い効果が得られるのが窓と日射遮蔽部材を組み合わせた日射コントロールだ。「設備の導入も大切だが、それだけでは費用が高くなる。冬期は積極的に日射を取り入れ、夏期には部材で遮るという設計側の工夫を行うことで効率的に一次エネを削減できる」(LHT商品本部 サッシ・ドア商品企画部 商品企画室 サッシG 窓まわり商品T 小林貴明 氏)。
YKK APも、ビルダーのGX志向型住宅への注目度の高さを指摘する。「昨年、省エネ基準への適合義務化が開始したが、27年4月からは断熱等級6、一次エネルギー等級8が条件のGX ZEHの認定が始まる。この要件はおおよそ現在補助制度に組み込まれているGX志向型住宅と同じで断熱等級6、一次エネ35%削減が求められる。当社としてもこれを追い風に今一度、断熱・日射遮蔽商品の訴求を強める」(竹原次長)考えだ。
一次エネ算定や外皮計算ソフトの提案も強化
ビルダーにとって「一次エネ算定の手間をどう減らすか」も重要だ。各社は、一次エネ算定や外皮計算ソフトの提案を強化している。
LIXILは一次エネの削減量などを計算できるツールを用意する。「LIXIL省エネ住宅シミュレーション」は、使用する建材がLIXIL製品であれば、見積データの読み込みで、またそれ以外の製品でも性能値を入力することで各省エネ基準への適合確認ができるもの。登録をすれば無料で利用できる。
「ビルダーの方への日射遮蔽部材の浸透はこれからというところではあるが、徐々に意識をする方は増えてきている」(小林氏)として、今後発信を強化していく考えだ。
YKK APはビルダーの設計サポートサービスとして「住宅省エネ性能計算ソフト」、「住宅開口部性能かんたん検索サービス」を用意。
「住宅省エネ性能計算ソフト」は、使用する断熱材や窓を選択し省エネ性能を計算するもので、日射取得率なども計算できる。一方の「かんたん検索」は今年4月から開始したサービスで、使用建材を選択するだけで、断熱等級4、5に適合するかの判断を簡単に行える。使用する窓が決まっていない場合にも、窓種、ガスの可否、ガラスカラー(日射遮蔽性能)などを選択するとおすすめの窓が表示される。
三協立山は性能基準ルートへの対応ソフトとして、「三協アルミ 外皮計算ソフト」を用意。Excelベースのソフトで、外皮平均熱貫流率(UA値)や日射熱取得率(η値)の計算、窓やガラスの性能を反映した外皮性能計算などが行える。
断熱窓リノベと併せての提案も加速
日射遮蔽への関心は既存住宅のリフォーム市場でも広がっている。「先進的窓リノベ事業」などの補助金制度を追い風に、窓の断熱改修が広がりを見せている。一方で、断熱性能が大幅に向上した結果、「夏期に一度室内に入った熱がこもりやすくなる」ケースもあり、各社は断熱改修と日射遮蔽をセットにした提案を行う。
LIXILは、内窓「インプラス」の販売において、夏期の室内熱のこもりを防ぐため、「外付ブラインドEB」や外付日よけ「スタイルシェード」などの日射遮蔽部材をセットにした提案を行っている。
YKK APは、昨年、秋の駆け込み需要が多かった「先進的窓リノベ事業」について、今年は夏の日射対策として内窓を訴求し、秋前からの既存窓改修の需要創出を目指したい考え。昨年発売した樹脂製内窓「ウチリモ」シリーズや、窓交換の「マドリモ」シリーズの販売と併せて「アウターシェード」などの日射遮蔽商品も提案する。「マドリモ」シリーズについては、今年4月に戸建て用樹脂窓ハイブリッド専用枠にプロジェクト窓を追加。「従来よりも開口面積が大きくなり光を取り入れやすくなったほか、既設FIXからたてすべり出し窓に交換しやすくなるため、風を取り入れて暑さ対策をすることができる」(竹原次長)。
日本板硝子は、日射遮蔽型の「スペーシアクール」が先進的窓リノベ事業において内窓仕様で最高位の「SSグレード」に適合している。高い性能で補助額も多い「スペーシアクール」の訴求を強めており、問い合わせも増えているという。
地球温暖化による猛暑の常態化や、高断熱住宅の普及によるオーバーヒート問題の顕在化を背景に、日射コントロールは住宅の快適性と省エネ性を左右する重要なテーマとなりつつある。断熱化が進んだ現在では、いかに不要な日射を室内に入れないかという視点が欠かせなくなった。「断熱性能を高める住宅」から「熱をコントロールする住宅」へ――。住宅の省エネ化が新たな段階へ進む中、日射コントロールはその鍵を握る要素として存在感を増している。

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