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異常気象から住まいを守る ワンランク上の防水対策

成型品の防水部材で
施工品質のばらつきを抑制

漏水リスクの高い開口部や、壁と屋根の取合い部などには、成型品の防水部材も有効だ。現場での加工が不要で、成形品をはめ込むだけで、職人の技術に左右されずに防水性能を確保できる。メーカー各社は、それぞれに特長を持たせた製品をラインアップし、他社と差別化を進めている。

フクビ化学工業は、この分野のパイオニアとして「ウェザータイト」のブランドで、成型品の住宅用防水部材の販売を強化する。2000年の「品確法」の施行を機に住宅の防水性能向上の要求が高まり、2003年に「サッシ用」を発売開始した。一般的に薄手の樹脂製品は「真空成型」で製造されており、製造方法の特性上、防水で最も注意が必要な3面交点部が薄くなりがちだが、ウェザータイトは、「射出成型」で製造することで、平面部から3面交点部まで厚みを均一化させ、より安心な設計となっている。ウィークポイントの3面交点部のカバーはウェザータイトで完結し、留め付けは防水テープのみで行う(屋根用を除く)。施工者のスキルや熟練度に左右されず、安定した施工品質の確保が期待できる。半透明で下地が見えやすく、施工がしやすいように配慮している。

フクビ化学工業は、成型品の防水部材のパイオニア。「ウェザータイト」のブランドで、業界唯一の4部位に対応した製品をラインアップする

「サッシ用」から始まり、「パイプ用」、「バルコニー用」、「屋根用」の4部位を業界で唯一ラインアップしていることも強みだ。特に「屋根用」は、他者にはない独自の製品で、柔らかい素材を「射出成型」で厚みをコントロールできることを利用し、緩勾配から急勾配までの屋根に対応できる。長期間の耐久性と、雨水を確実に止める止水性にも定評がある。「JIS A 6111:2016 透湿防水シート」に準拠し、10年相当の加熱処理後に、素材の引張強度残存率を測定した結果、すべての残存率が95%以上であり、素材に耐久性があることを確認。また、「パイプ用」の軟質樹脂の止水性についても、複数の個体で試験を実施し、高いレベルで止水性があることを確認している。

「最初にサッシ用を発売した後、換気口まわり、継ぎ手などの箇所の防水部材が欲しいという声を反映して、さまざまな部位に対応できるラインアップを拡充してきた。施工の標準化を図りたいという観点からも、すでに大手のハウスメーカーやビルダーの採用は進んでいる。今後は、中小規模の住宅事業者からの採用を増やしていけるかが課題」(同社)。

日本住環境は2007年に、外壁の配管周りの防水性を高める簡素化部材「ドームパッキン」を発売した。伸縮加工したポリエチレン素材を採用することで、1つの製品で50mm〜150mmの広範囲なパイプ径に対応できる。伸縮性の素材がパイプをピタッと締め付けるため、パイプとの密着部分にシーリングやテープ処理が不要となり、施工時間の短縮にもつながる。

同社営業本部プロダクトマネージャー 小林輝久課長は、「特に多棟数を手掛ける住宅事業者から、現場の施工レベルの均一化を図れる点が支持されて需要は伸びている。成型品を採用することで、施工不備による漏水事故が発生するかもしれないという不安を解消でき、工期短縮もでき、見えないコストダウンにもつながる」と話す。

日本住環境が開発した、窓開口部などに用いる「シールドコーナーA/B」。隅角部のピンホールを完全にブロック。また、特殊形状の止水パッキンの一体化により、雨水の浸入を完全に防ぐ

住宅事業者などからの要望を受けて、貫通部に対応した防水部材の開発も継続して行っており、ラインアップも充実する。外壁下地を貫通する部分の処理をテープのみで行うのは難しいという要望に応えて2015年には、電気配線を束ねるCD管、PF管周りの隙間をブロックする「ゴームパッキンCD/PF」、2020年には、エアコンの配管処理に最適な「ゴームパッキンφ50‐φ75」を製品化した。それぞれEPDMゴムの採用で、より高い耐候性を付与。ゴームパッキンにあらかじめ貫通穴を開け、パイプを通す際の穴開けを不要にした。また、バルコニーのオーバーフロー管周りの貫通部の処理にもゴームパッキンが使われている。

そのほか、同社は窓周りの防水部材「ウィンドウ・シールド」や、隅角部のピンホールを完全にブロックする一体型コーナー材「シールドコーナーA/B」などもラインアップする。

ウィンドウ・シールドは、施工性に配慮し、両面テープや独自形状のEPDMパッキンを採用した水切りシート。施工技術に左右されずに、雨水の浸入を完全に防ぐことができるように特殊形状の止水パッキンも一体化している。また、シールドコーナーと併用することで、窓まわりの防水処理をよりスムーズに行える。

小林課長は、「成型品の防水部材の需要は年々高まってきている。それは我々メーカーだけの力で普及できたのではなく、保険会社が漏水リスクの高い箇所として厳しくチェックしてくれていることも大きく影響している。また、近年、頻発する豪雨、大型台風に備えとしてワンランク上の防水対策を求めて、ビルダーからの問い合わせが増えている」と話す。

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