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異常気象から住まいを守る ワンランク上の防水対策

JIS規格化で
透湿ルーフィングの存在感高まる

ここにきて屋根下葺材として、透湿ルーフィングの存在感も徐々に高まってきている。きっかけは、2016年8月、透湿防水シートのJIS規格が改正され、従来の外壁用透湿防水シートという区分に加えて、新たに屋根用透湿防水シートという区分が設けられたことだ。日本では、屋根下葺材は、アスファルトルーフィングの採用率が高く、透湿ルーフィングのシェアは5%程度にとどまるが、JIS規格化により、同じ土俵でアスファルトルーフィングと性能比較ができるようになった。また、一般的なアスファルトルーフィングは、湿気を通さないため、悪条件が重なれば、屋根裏で結露しやすいリスクをはらむが、透湿ルーフィングは、湿気を外に排出し、屋根裏の乾燥を促す特長を備えている。透湿ルーフィングのメーカー各社は、JIS規格化の追い風を受けて提案を強化する。

フクビ化学工業は、もともと遮熱性能を兼ね備えた透湿ルーフィング「遮熱ルーフエアテックス」を展開してきたが、遮熱性能を省くことで、コストを抑え、汎用性を追求した透湿ルーフィング「ルーフエアテックスST」を2020年に発売した。優れた止水性を確保し、JIS規格で定められた、くぎ穴止水性試験をクリア。また、50年相当の加熱処理後の防水性・引張強度残存率に関するJIS規格もクリアしている。さらに、表面に防滑性のある特殊不織布を採用し安全性にも配慮した。アスファルトルーフィングに比べて重量は約4分の1と軽く、持ち運びしやすいという特長も備えている。「発売以来、多くの問い合わせをいただき、販売も好調。住宅の長寿命化のニーズが高まり、また異常気象で漏水リスクが高まっていることもあり、屋根の耐久性向上という観点から興味を持ってもらっているのではないか」(同社)。

セーレンは、透湿ルーフィング「ルーフラミテクトZ」の拡販に力を入れる。海底ケーブルでも使用される特殊ポリマーを採用。特殊ポリマーが膨張することで釘穴などからの漏水をブロックする。また、低温時でも柔軟性を失わず高い止水性を発揮し、熱劣化に対する促進試験で高い耐久性を確認している。重量は1㎡当たり255gとアスファルトルーフィングに比べて非常に軽量だ。同社では、特に耐久性と止水効果を差別化ポイントとして打ち出している。

高リスクの開口部、取合い部こそ
ワンランク上の防水対策を

雨漏りは、屋根からというイメージがあるが、実際には壁面で発生することが多い。住宅保証機構がまとめた住宅部位別の事故発生率(2013年)によると、屋根の23.1%に対して壁は72.5%となっている。特に開口部まわりや、配管まわり、また、バルコニーの取合い部、屋根と壁の取合い部などは、形状も複雑であり、職種や工程が入り組むため、漏水リスクが高い箇所として注意が必要だ。こうした箇所の防水リスクを抑制する防水対策の重要性はより高まってきている。

アスファルト系の
防水副資材をパッケージ化

こうした中で、田島ルーフィングは、外壁防水用の「水切シート」や「ブチルテープ」、「ノービルテープ」などの副資材をパッケージ化した「ウォーターブロックシステム」の提案を強化する。窓台等に使用する水切シート300と先張り防水シートは、高品質の改質アスファルトを使用したもの。タッカーで簡単に留め付けが可能で、優れた釘穴シール性を発揮し、長期にわたり雨水の浸入をブロックする。窓台の角部やパイプまわりなどに施工するノービルテープは、伸張性のあるブチルゴム系の三次元テープ。こうした箇所には、どうしてもわずかな隙間(ピンホール)が生じやすいが、伸張性のあるノービルテープを用いることで、テープに切り込みを入れることなくピンホールを塞ぐことができる。

同社の住建営業部住建宣伝課第2グループの髙山岳グループリーダーは、「建物の形状の変化や、出入隅など複雑な部位が増えてきたことで、単にシート上の材料を張るだけでは雨水の浸入を食い止めることが難しくなってきている。特に開口部周りは、防水テープのみでは十分に雨水を防ぎきれないので、ウォーターブロックシステムで対応することをおすすめしている。大手の住宅事業者は、壁面の漏水リスクを認識し、防水対策の取り組みを徹底しているが、中小規模の住宅事業者は現場任せにしているところも少なくない。中小規模の住宅事業者を対象にしたセミナーを開催し、壁面の漏水リスクの注意喚起を促すとともに、ウォーターブロックシステムの認知度向上を図っていきたい」と話す。

2021年3月には、(一社)日本防水材料協会(JWMA)が、アスファルト系の先張り防水シート(先張防水シート及び鞍掛シート)について、JWMA規格を作成し公表した。他素材の先張り防水シートなどと品質を比較しやすい環境が整備されたことを受けて、さらに販売を強化していく考えだ。

日新工業も「カッパテープN300・N500」といった防水水切りシート・壁取合い部補強用ルーフィングの販売拡大に期待をかけている。

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