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AI活用し、意匠図からプレカットCAD 連携データまで一気通貫で作成

ホームエクスプレス構造設計 社長 永崎兵衛氏

人手不足による長時間労働への対応は住宅業界でも喫緊の課題だ。ホームエクスプレス構造設計は意匠図データを基に、構造計算書からプレカットCAD連携データまでをAIを活用し、自動生成するサービス「構造エクスプレス」を展開。ビルダーや工務店の生産性向上に貢献している。永崎兵衛社長にサービス内容や今後の展望を聞いた。


──「構造エクスプレス」はどのようなサービスですか。

ホームエクスプレス構造設計 社長
永崎兵衛氏

ビルダー・工務店が作成した意匠図データを基に①構造計算書②基礎・構造伏図③プレカットCAD連携データ④数量拾いデータ(構造材、金物)を提供します。一言で言いますと、意匠データを貰ってCADで自動計算し、ビルダー・工務店に速くお返しする、構造設計支援サービスです。ビルダー・工務店、設計事務所及びプレカット工場3者の業務が、このサービス1つで完結してしまいます。

意匠図から構造計算書、プレカット加工データ作成までの一連の作業に、1カ月ほどかかると一般的に言われています。ビルダー・工務店や設計事務所、プレカット工場など複数関係者間でのやり取りが多く、手戻りが頻繁に発生し、業務が進まないためです。これを最短3営業日で納品し、業務時間の短縮を図れるのが構造エクスプレスです。

当社が開発したオリジナルCADシステム「HM‐EXCAD」と福井コンピュータアーキテクト社の3DCADシステム「ARCHITREND ZERO」を連携させ、構造計算書などを、AIを使って自動作成します。「HM‐EX連携ソフト」は「ARCHITREND ZERO」上で簡単に構造的なチェックができるソフトです。

実は、設計作業で、これまで多くの時間を割いていた要因の1つがチェック・修正の繰り返しを複数の関係者が紙の図面でやりとりしていたことにあります。「HM‐EX連携ソフト」では柱や耐力壁を入力しなくても「耐震等級3」などの目標等級を満たせるかをチェックでき、意匠図作成後の手戻りを解消します。チェックし、エラーが出たら「ARCHITREND ZERO」で意匠図を修正し、精度の高い意匠データを作りこむことができます。

意匠図ができたら、ビルダー・工務店はクラウド上の「HM︲EX業務依頼システム」でデータを送信。それを受け、当社で構造伏図や構造計算書などを作成、アップロードします。ビルダー・工務店からプレカット工場への関連データ送信も「HM‐EX業務依頼システム」上で行います。

データのやりとりは全てクラウドを通して行われます。このため、人の行き来や紙資料のやり取りでこれまで発生したミスは起きにくくなり、ここでも業務時間の短縮を図ることができます。

──構造エクスプレスにより、「耐震等級3」の取得がしやすくなります。

耐震等級3を取得した住宅の普及率はまだ30%にも満たないと言われています。お施主さんに言われてから「この家だけはやろうか」という感覚の住宅会社も散見されます。意匠性を気にしたり、構造計算に手間がかかったりなどを理由に、耐震等級3取得に消極的なところが多いように感じます。構造エクスプレスは、耐震等級3での設計を標準にしています。

2016年に起きた熊本地震でも、建築基準法に沿った耐震等級1の住宅でも損壊し、建て替えるという事例もありました。耐震等級3であれば被害は軽微で、引き続き住まうことも可能であるということは実際の震災でも証明されています。最終的にはお施主さんのためになります。これからの住宅供給事業者は耐震等級3取得を標準とするべきで、それが安全・安心な家づくりへの訴求力アップにつながると思っています。

「構造エクスプレス」のサービスの流れ
構造エクスプレス」のサービスの流れ

──どんな仕様でもサービスを活用できるのですか。

耐震等級3の住宅を意匠図から迅速に構造計算などをするために設計条件を設けています。具体的には当社指定のオリジナル金物を使用してもらいます。構造材はオール集成材で木材強度を指定。金物と干渉するため筋かいは使わず面材耐力壁を使います。耐力壁の種類は構造用合板、MDF、パーティクルボードなどから選択可能です。また、基礎はべた基礎となります。

建物の適用範囲は木造住宅で2階建てまで、現状ではスキップフロア等には対応していませんが、今後、仕様の適用範囲を広げていくことを検討しています。

──今年8月からサービスを始めましたが販売動向はどうでしょう。

問い合わせは多く、ビルダー・工務店からの反応は予想以上です。実際に利用された声として多いのが設計業務の負担軽減ですね。例えば「プレカット工場とのやり取りが今までの半分以下に減り、業務が楽になった」とか「従来契約後に行っていた正確な構造計算が、契約前にできることになりプランの提示を以前より自信をもってできる」などの声があります。

プレカット工場からも「確定した意匠でプレカット工場にデータが納品されるため、加工に着手できるまでの作業時間が安定し、作業効率が良くなった」と評価されています。

一度使ってもらったら「構造エクスプレス」の良さはわかります。実際にリピートも少なくありません。

このため初回限定ですが、“お試し”キャンペーンを展開しています。通常1棟当たり18万円(消費税別・内容=構造計算書、構造伏図、プレカットCAD連携データ、数量拾いデータ)のサービスを無料で提供しています。

──今後の展望についてお聞かせください。

構造エクスプレス」では独自の構造計算手法を用いているため、今までの経験値に頼って過剰になりがちだった材積を見直すこともできます。実際に基礎鉄筋のコストを約20%削減できたビルダーもあります。今後の人手不足を考えると金物接合がより重視されます。金物のコストアップ分を基礎鉄筋のコスト削減で吸収できるなど、コスト圧縮効果が見込めます。「構造エクスプレス」は、こうした合理化を実現でき、設計業務の省力化では速さを、また、耐震等級3を簡単に取得できる安心さを提供します。

来年は420棟での提供を計画しており、2023年には300社、3000棟を目標に掲げています。このためサービス内容をより高めながら「構造エクスプレス」を普及し、ビルダー・工務店の大半が採用する家づくりのスタンダードに育てていきたいと思っています。


ホームエクスプレス構造設計株式会社

TEL:03-6636-6270
FAX:03-6636-6271
https://expkouzou.com/


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ハウジング・トリビューンVol.633(2022年1号)

特集:

閉塞感のその先へ

2022年の幕が上がった。
新型コロナウイルスの感染拡大は沈静化の様相を呈しているが、まだまだ予断は許さない。
脱炭素社会実現に向けた具体的な動きはいよいよ本格化する。
風水害をはじめとする自然災害対策は待ったなしだ。
社会環境の変化のなかで地方活性化の取り組みも活発化し始めている。
2022年は住宅産業のなかでどんなマーケットが拡大し、ビジネスチャンスとなるのか──。

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