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ものづくり+情報加工で付加価値創出 総合力発揮し建設・不動産業界でも存在感

大日本印刷 執行役員 ABセンター ICT事業開発本部 本部長 金沢貴人氏

大日本印刷(DNP)は、印刷事業で培ってきたものづくりノウハウに、情報加工技術を掛け合わせて新たな付加価値を創出する「P(印刷)&I(情報)イノベーション」を推進する。同社執行役員の金沢貴人氏は「印刷と情報の独自の強みを掛け合わせイノベーションを生み出し、建設・不動産業界にとってなくてはならない存在になっていきたい」と話す。


──御社は、経済産業省と東京証券取引所が共同でDXに積極的に取り組む企業を選定・公表する「DX銘柄2020」に指定されました。経営ビジョンの中でDXをどのように位置づけているのでしょうか。

大日本印刷 執行役員 ABセンター ICT事業開発本部 本部長
金沢貴人氏

当社は、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念のもと、「知とコミュニケーション」、「食とヘルスケア」、「住まいとモビリティ」、「環境とエネルギー」という4つの成長領域で、「P&Iイノベーション」を推進し事業領域の拡大を目指しています。

実は、2001年から、会社の方向性として「P&Iソリューション」というスローガンを掲げ、我々がこれまで培ってきた強いものづくりに、積極的に情報加工技術を掛け合わせて、新しい事業、サービス、ソリューションを展開していく取り組みを進めてきました。

そして現在では、ソリューションからイノベーションへと大きく方向性を変えています。顧客のニーズに対して、ソリューションを提供し受注を得るというビジネススタイルから脱し、新たな価値をつくり出すために、ビジネスモデル全体を我々が考え、イノベーションを生み出し、その価値をお客様に認めていただいて採用いただくという方向性を強く打ち出しています。

最近、DXということがいろいろなところで聞かれるようになっています。我々は、競争上の優位性を確立するために、単なるデジタル化にとどまることなく、情報加工技術を活用して付加価値を高めていくことがDXであり、DXの目指すべきところだと捉えています。

一つの成果を紹介すると、情報イノベーション事業部が進めるセキュリティ関連ビジネスが拡大していることです。クレジットカードなどのICカードのものづくりから始まり、今や決済プラットフォームの提供というところまでビジネスが発展しています。もともと、我々は、顧客であるクレジット会社などの依頼でICカードをつくっていましたが、そこに、情報加工技術のノウハウを掛け合わせて、個々のカードへの個人情報の登録から発送まで、カードの発行業務も我々が代行して請け負い、事業領域を拡大していきました。その後、そうしたセキュリティ関連のビジネスにリソースを集中し、ICカードのソフトウェア開発などにも事業領域を拡大しました。さらに、ソフトウェア開発力、顧客との間に築いてきた信頼感をベースにしながら、決済プラットフォームを構築し、決済事業者に提供しています。個々の決済事業者は、自前で決済プラットフォームを開発するコストを抑え、市場に参入し、事業展開しやすくなります。

近年、急速にキャッシュレス決済市場が拡大していますが、市場拡大の一翼を担っているという自負があります。ICカード製造の国内シェアはトップクラスであり、決済プラットフォームの提供事業者としても存在感を高めています。

──住宅関連分野でのDXの取り組みについて教えてください。

高精細な4K映像とVR(仮想現実)技術による臨場感の高いインテリアコーディネートを迅速にシミュレーションできる「DNPバーチャルエクスペリエンス VRインテリアシミュレーター」を開発し、2020年7月から提供しています。

長年にわたり蓄積してきた化粧シートの高精細な意匠データを活用することで、本物と見間違うほどのリアリティのある画像処理を可能にしました。高精細なCGで表現された空間の中で、好きな位置・アングルから、細部まで確認できることが強みです。

コロナ禍の影響で、対面の接客が難しい状況が続いていますが、デジタル化されたショールームとして、リモート接客やオンライン展示会など、ニューノーマルな販売活動にも柔軟に対応できます。

高精細なCGで表現された空間を体感できる「DNPバーチャルエクスペリエンス VRインテリアシミュレーター」

──今後の展開についてお聞かせください。

DNPグループの総合力を発揮して、P&Iイノベーションを推進し、建設・不動産業界が抱える課題を解消する新しいビジネスモデルの創出にも積極的に取り組んでいきます。

例えば、提携先の日本ユニシスは、様々な住宅事業者の規格型住宅の「価格」や「間取り」を比較検討できるバーチャル住宅展示場「マイホームマーケット」を運営しています。非対面・非接触でプレゼン・販売ができるため、コロナ禍を経て、注目度は増しています。ここに当社が培ってきた決済サービスのノウハウを掛け合わせ、契約手続きをより簡素化できないかといったことも検討しています。

日本ユニシスは、ビルや工場などの設備保全業務に、IoT、ICTを組み合わせ、点検業務や不具合対応を効率化する「まるっと点検」というサービスも提供しています。作業員はスマートグラスを使い、ハンズフリーで安全に作業しながら、報告書の作成まで行うことが可能です。また、経験の少ない作業員でも、スマートグラスの通話機能で、離れた場所にいるベテランの作業員に状況を報告し指示を仰ぐことができ、少ない人数でも迅速な対応を可能にしています。さらに、設備機器に様々なセンサーを取り付け、振動や温度などを監視し、異常をいち早く検知するだけでなく予測することも可能です。

この「まるっと点検」のサービスを、住宅、マンション向けにも展開できないかも検討しています。ストック市場が拡大する一方で、作業員の確保が難しくなる中、大きな需要があると見ています。

また、住宅事業者と協働して、デジタル技術により、建材・設備のサプライチェーンを最適化する取り組みも開始しています。大手ハウスメーカーは、住宅建設の現場に効率的に資材を納入するサプライチェーンを構築していますが、住宅建設に必要な資材は2万点以上あります。細かい資材については、現場で、目視で確認しているため、出入荷のミスなどが頻繁に起こっています。そこで、住宅に必要な資材すべてにICタグを取り付け、配送拠点などにICタグを読み込むゲートを用意することで、すべての資材をデジタル上で管理し、より効率的に、邸別ピッキング、工事の進捗に合わせた現場配送などを実現できないか実証実験を進めています。

これまでDNPは、デザイン性、機能性を高めた独自の化粧シート製造技術などで、住宅のインテリアの発展をリードし、住宅の工業化に貢献してきました。そしてこれからもP&Iイノベーションを推進し、建設・不動産業界にとってなくてはならない存在になっていきたいと思っています。


大日本印刷株式会社

TEL:(大代表)03-3266-2111
https://www.dnp.co.jp/


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ハウジング・トリビューンVol.628(2021年19号)

特集:

住産業はどう対応する?

社会が大きく変わりつつある。
環境対策は待ったなしの緊急課題で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急展開している。
少子高齢化は、わが国の人口構成を大きく変え、これまでになかった社会を迎えつつある。
また、地震や台風などの自然災害の激甚化・頻発化は気候変動への対策とあわせ、その対策が強く進められつつある。
さらにコロナ禍は、働き方改革やデジタル化を好むと好まざるとにかかわらず、強制的に進めることになった。
こうしたなかで人々の暮らしも変わりつつある。
生活を支える住産業は、こうした変化にどのように対応していくのか──。
各省庁がまとめた白書をベースに、さまざまなデータを紐解いた。

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