オンライン住宅営業の幕開け

コロナ禍のなか、オンラインでの集客・接客の提案が活発化、もはや住宅・不動産業界でも取り組みは必須となりつつあり、多くの事業者が提案に力を入れている。
VRやウェビナー、オンライン展示場など、様々な提案が活況で、これらをうまく使うことで受注力アップに結びつけ、過去最高の業績を上げる事業者も出てきた。
オンライン集客・接客は新型コロナウイルス感染症対策だけでなく、場所に縛られないことで、「遠方でも気軽に住宅を検討できる」「子どもがいても家で検討できる」などの利点で顧客満足度の向上が期待でき、営業の効率化で働き改革にも貢献するなど様々なメリットがあることに加え、展示場を主軸とした従来の住宅営業のかたちを変える可能性もある。

営業自粛で展示場が閉鎖…
強制的なオンライン集客・接客が開始
過去最高の業績を上げる事業者も

休日には家族連れで賑わう住宅展示場・マンションギャラリー——。新型コロナウイルス感染症対策として、緊急事態宣言が4月に出されてから5月25日に解除されるまでの2ヶ月あまり、営業自粛要請により住宅展示場やマンションギャラリーはほぼ休止状態に追い込まれた。

これにより、半ば強制的に進められたのが、VR、動画中継、3Dモデルハウスといったデジタルツールを活用したオンラインでの集客・接客だ。

コロナ禍でも一定の住宅購入需要は存在する。その需要に対応するため、住宅・不動産事業者各社は、住宅展示場・マンションギャラリーの閉鎖をきっかけに、オンライン集客・接客の取り組みを開始、その取り組みを加速させている。

VR、動画、オンライン専用住宅など様々な提案が相次ぐ

旭化成ホームズは、「3Dモデルハウス」や「バーチャルモデルハウス」などで、オンラインならではの新たな価値を訴求

旭化成ホームズは緊急事態宣言が出る前の3月から「ヘーベルリモートミーティング」という名称で、オンライン集客・接客を本格的に開始、様々な施策に取り組んでいる。

集客面では、「従来行なってきたことをオンラインでも」(マーケティング本部営業推進部 広宣・販促グループ三原晶氏)との考えから、オーナー邸のバスツアーをオンライン上で実施。家に居ながらにして、ヘーベルハウスの特徴やオーナーの生の声を聞けるようにした。

また、全国にある実際の展示場のモデルハウスをオンライン上で360度見学できる「3Dモデルハウス」を展開。単純にモデルハウスの3D化をするだけでなく、縦に切って住宅の断面を見ることができるようにするなど、リアルなモデルハウスにはない新たな価値を訴求する。

さらに、ヘーベルハウスの住宅だけを集めたバーチャル展示場も展開。一度にヘーベルハウスの住宅商品をVRで見学できる。「実際のモデルハウスだと、展示場に一つのモデルハウスしか建てられないため色々な要素を入れ込んでしまい、実際に建てるよりも広くて豪華になり過ぎるが、バーチャル展示場なら何棟も建てられるため、実際に建てる住宅に近づけて訴求できる」と、マーケティング本部の三原氏はオンラインならではのメリットを説明する。

ヘーベルハウスに興味を持った人には、オンライン接客の取り組みとして、ビデオ通話相談も実施し、家づくりの初期検討段階から設計の細かな打ち合わせまで対応できる体制を整えている。「思っていた以上にオンラインで家づくりが可能であることがわかった。設計やインテリアなどのこれまで紙で行なっていた打ち合わせは、ほぼオンラインで可能」(マーケティング本部・三原氏)としており、オンライン活用への積極的な姿勢を示す。

積水ハウスも4月からオンライン集客・接客で新たな取り組みを次々と展開している。


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