マイクロベース、水道データとAIで「空き家化」を予兆検知 事後対応の限界を打破する「都市経営OS」
東京大学の空間情報科学研究センター発のベンチャー企業であるマイクロベース(東京都千代田区、仙石裕明代表)は、AIを活用した予測システム「MiraiE.AI(ミラーエ)」を通じて、家一軒ごとの空き家化の将来予測を行っている。
MiraiE.AI」の予測の基盤となるのは、全国どの自治体でも保有している「住民基本台帳」と「水道使用データ」だ。これらは「これ以上精度の高いデータは他にない」と評価されるものであり、空き家特措法(2014年制定、2023年改正)の特例規定により、空き家所有者特定目的であれば個人の同意なく自治体が利用可能である点が法的根拠となっている。住民基本台帳からは転出や死亡といった情報を得て、そこに2ヶ月に1回検針される水道データや開栓・閉栓情報を組み合わせる。これにより、AIが居住者のライフスタイルの変化(老人ホームへの入居や死亡など)を検知し、ルールベースでは難しい空き家化の兆候を高精度に予測する。
2022年からは愛知県豊田市との実証実験を進めている。豊田市は面積の約5分の4が山間部という特殊な地理的条件を持つ。山間部に点在する家屋のために水道管を維持し続けるコストの問題を抱えており、将来的に居住者がいなくなる可能性が高い地域の水道管更新優先順位の見直しや撤退判断に、同社の予測データが活用されている。豊田市との連携では、上下水道局がデータを提供し、建築相談課が取りまとめ、情報戦略部門が橋渡し役を担う体制が構築された。資金面では国土交通省の「空き家対策モデル事業」からの助成も受けた。

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