New   2026.6.12

中央グリーン開発 モビリティ収納優先で建物と外構を融合

個性をみせる飾り棚「ミセラック」を全部屋に採用

 

ポラスグループの中央グリーン開発が、車や自転車などのモビリティ収納を重視して設計した分譲住宅
「BASE88@越谷」を埼玉県越谷市内に開発した。

従来の分譲住宅では、特に自転車の駐輪スペースは外構の余剰スペースに割り振られる傾向にある。その結果、雨ざらしによる車体劣化や盗難、雑然と並ぶ自転車が景観を損なうなどの課題があった。そこに着目した同社は、自転車や車、ベビーカーなどのモビリティ収納を重視した分譲住宅プロジェクト「BASE88」を2020年に立ち上げた。その7例目として、越谷市内に「BASE88@越谷」を開発した。

越谷駅から徒歩18分という立地を考慮し、モビリティ収納を優先して設計。全6戸のうち5戸はスムーズに車を出し入れできるよう並列駐車スペースを確保するほか、玄関までのアプローチには自転車などのモビリティの収納空間を配置し、メンテナンス用の外部コンセントや水栓を完備した。外観は箱型のシンプルなファサードを特徴とし、アクセントとしてポーチのサイディングと軒天材に木調を取り入れた。

「BASE88@越谷」の街並み。手前の空間を共同利用地とし、駐車しやすくしている

これまでの同プロジェクト事例はグッドデザイン賞を受賞するなど高い評価を得ているが、「BASE88@練馬光が丘」居住者の2年後ヒアリングを行ったところ、スロープの幅が0.6mでは狭い、コンクリート仕上げの路面が滑りやすい、駐輪スペースに荷物が溢れるなどの課題が上がった。今回の越谷の物件では、こうした課題を反映し、4つのポイントを改善した。スロープを1m確保し、路面を洗い出し仕上げにすることにより通行の利便性と安全性を向上させるほか、モビリティ収納の横にアウトドア収納を新設し、用途に応じた収納場所を確保。さらにモビリティ収納空間内に外部コンセントを設置するなど管理設備を充実。植栽配置の最適化と景観演出の強化も図った。

「ミセラック」の例。棚に置くものが映えるように壁紙は落ち着いた色にした

モビリティ収納に加え、大きな特徴の1つが全部屋に備えた飾り棚「ミセラック」だ。奥行約20~30㎝の棚板6枚は可動式で、上部にはダウンライトを設置。本棚や趣味のものを飾るスペースを設計から組み込み、見せる収納とした。ブランディング課の杉山秀明マネージャーが、自宅をリノベーションする際に同様の可動式棚をつくり、家族にも好評だったことから全部屋への設置を思いついたという。杉山マネージャーは「家族のモノがどんどん増える中で、こうした棚があるだけで便利で、楽しく暮らせる。これまで一部に飾り棚を備えることはあったが、全部屋に備えるのは初めて。今後は『ミセラック』としてブランディングしていきたい」と語る。

6戸の敷地面積は123.54~155.86㎡、建物面積は96.67~103.5㎡。販売価格は4890万円~5790万円。2025年10月末から販売開始し、26年4月中旬までに5戸が販売済となっている。集客は約70組で、3割がインスタグラムからの問い合わせ。ホームページも周辺現場と比較し、約3倍の閲覧数があった。購入検討者だけでなく、注文住宅検討者がデザインや仕様の参考として問い合わせる例や、他県の同業他社が視察に来る例があるなど高い関心を集めている。