[2022年の重大ニュース]8月の豪雨、台風で甚大な住宅被害

地球温暖化で気候災害リスク高まる

2022年8月、大雨と台風により大きな被害が発生した。地球温暖化の影響により、年々、気候災害は激甚化する傾向にある。住宅各社は、水害対策を強化した住宅商品を相次いで発売した。

2022年8月3日、低気圧が東北地方を通過し、低気圧に伴う前線が4日にかけて北陸地方へ南下して停滞、5日には本州南岸まで南下した。

低気圧や前線に向かって高気圧の縁を回る空気や、台風6号を起源とする暖かく湿った空気が流れ込んだため、北日本から西日本では5日にかけて、東北地方と北陸地方を中心に断続的に猛烈な雨が降り、記録的な大雨となった。6日から7日は、東日本や西日本で局地的に大雨となった。8日には再び前線が北日本にのびて停滞し、13日にかけて北海道地方や東北北部で大雨となり、北海道地方や青森県では記録的な大雨となった。

一条工務店は「耐水住宅」を開発。防災科研にある大型降雨実験施設で、豪雨、洪水を再現し、浸水に強いことを証明した

また、13日は伊豆半島に上陸した台風8号の影響で、東日本太平洋側を中心に大雨となった。14日は全国的に大気の状態が不安定となり、所々で猛烈な雨が降った。15日から22日は、前線や低気圧の影響により、北日本から西日本で大雨となり、24日から26日は、低気圧の影響で東日本や西日本で局地的に大雨となった。

これに伴い青森県では、全壊9棟、半壊423棟、一部破壊288棟、石川県では床上浸水322棟、床下浸水1224棟など、多くの住宅被害が発生した。

政府は、8月の豪雨と台風8号による一連の被害について、復旧にかかる費用の見込み額が基準を上回ったことから、8月30日の閣議で「激甚災害」に指定。政令を10月5日に公布・施行した。復旧にかかる費用を支援。自治体が道路や農地などの普及を行う費用などについて、国の補助率が引き上げられる。

地球温暖化の影響により近年、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している。気象庁の資料によると、1日の降水量が200㎜以上の大雨を観測した日数は、1901年以降の統計期間で、最初の30年と直近の30年とを比較すると、約1・6倍に増加(全国51の観測地点)している。

あわせて、気候災害の発生件数、被害もこの数十年間で急増。特に、台風や集中豪雨などの風水害は甚大で、2019年に壊滅的な風水害をもたらした台風15号・19号は記憶に新しい。

千葉市付近に上陸した台風15号は、千葉市では観測史上第1位となる、最大瞬間風速57・5mを記録。千葉県における住宅の風害は、全壊が314棟、半壊が3652棟、一部損壊が6万1104棟に及んだ。19号は関東・東北地方を中心に水害をもたらし、住宅の床上浸水は8129棟、床下浸水は2万2892棟に及んだ。

水害対策を強化した住宅商品
戸建賃貸にも水害対策仕様


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