有識者5人の視点から浮かび上がる建材選びの新機軸

脱炭素、性能向上リノベ、ウェルビーイング…

 

社会環境が激変し、消費者のニーズが多様化する中で、住まいづくりも大きく変わりつつある。
脱炭素に向けて、住宅にも一層の省エネ化が求められ、コロナで在宅時間が増加したことで、自らの住まいを見直すニーズも高まっている。
こうした中で、住まいを構成する「建材」が果たす役割はこれまで以上に大きくなってきている。
構造材や副資材など住宅が建ってしまったら目に見えなくなる建材から、窓や内外装材のようにデザイン性が重視される建材もある。
これら一つひとつが住まいを構成し、暮らしを彩ることになる。
社会環境が変わり、暮らし方が変わるなか、今、求められる建材、選ばれる建材とはどのようなものだろうか。
ハウジング・トリビューンは、構造材、断熱材、内装材、外装材、開口部、副資材、金物、エクステリアのカテゴリー別に、先進性や独自性、施工性など10の視点から注目される〈プレミアム住宅建材50〉(図参照)を独自に選出。
その50商品をもとに、住宅業界、建材に詳しい大学教授や人気の建築家など、田辺新一・早稲田大学教授、網野禎昭・法政大学教授、秋元孝之・芝浦工業大学教授、飯塚豊・アイプラスアイ設計事務所代表取締役、内山博文・u.company代表取締役という5人の有識者にインタビュー、今、そしてこれから求められる建材の姿を探った。
併せて、今号の前編3人、次号の後編2人に分けて、有識者インタビューを掲載する。

脱炭素に向けさらに性能向上
エンボディドカーボンへの対応も

今、住宅業界における最も大きなテーマの一つが脱炭素である。2022年6月、改正建築物省エネ法が公布され、住宅・建築物の省エネ対策の動きが一気に加速している。2025年4月には、すべての住宅・建築物へ省エネ基準の適合が義務化され、遅くとも2030年までに省エネ基準をZEH水準に引き上げ、適合が義務付けられる。また、2022年4月から、住宅性能表示制度における断熱等性能等級において、ZEH水準に相当する等級5が新設され運用が開始。22年10月からHEAT20のG2、G3レベルに相当する断熱等性能等級6、7も創設された。

住宅にも一層の省エネ対策が求められる中で、建材にも断熱性能の向上をはじめ、CO2削減を切り口とする新たな視点の建材開発が求められている。


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