新築からリフォーム、介護、さらには発達障害の塾まで お客のニーズをしっかりキャッチして新事業を展開
case4. 和歌山県田辺市その④前編
和歌山県田辺市主催の人材育成事業「たなべ未来創造塾」から起業や新規事業が生まれている。その2期生で地域のあらたな動きを創りだしたのが高垣工務店・石山登啓(いしやま・のぶひろ)社長だ。
石山さんは2018年に社長に就任したばかり。塾生に応募したのは統括部長のときだった。
ところが最初却下された。「塾生よりは講師レベルだった」(市の担当・鍋屋安則さん)。
それでも再度、懇願をして入塾させてもらったのだという。
石山さんは和歌山県西牟婁郡白浜町出身。高校を出たあと静岡県の日本建築専門学校に入る。卒業後22歳で地元の高垣工務店に就職。最初の3年間は大工の見習い。社長にこれから工務店も営業が必要と言われ営業担当に。それまでは社長以外はヒラ社員という会社だったという。営業で設計・現場監督・マーケティングを学んだ。ところが10年前、石山さん33歳のとき社長が46歳でくも膜下出血で倒れ倒産の危機となった。
会社の仕事をどうするか、みんなで話あって決めるという形になった。そのときにとったのがお客さんの声を吸い上げ形にすることだった。それが地域の人たちに「けなげに頑張っている」と応援を受け受注が増えた。アキュラホーム宮沢俊哉社長のJAHBnet(ジャーブネット=工務店700店加盟のネットワーク団体)に会社が入っており、当時、お客さん紹介率78%で1位になり表彰され全国から視察が来るようになった。ところが同業者から、「この家のクオリティなら、うちの方が高い。意味がわからない」「なんで売れるのかわからない」などと言われたという。
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