エアコンへのAI導入が相次ぐ 住まいの温熱環境をAIがコントロールする
生活パターンを学習、温湿度や花粉飛散も先読み
AIを搭載したルームエアコンの提供が相次いでいる。リモコンを使わずともAIがユーザーの好みの室内環境を学習し自動で快適な温度や湿度に調整するなど、ルームエアコンが進化を遂げている。
富士経済は、「需要分野別 空調・熱源システム市場の構造実態と将来展望 2018年版」で2025年度以降、「居住空間の快適性を追求するため、AIやIoTを活用した空間の最適化など高付加価値提案が進み、市場は新たな局面を迎える」と予測している。住宅用のルームエアコンにおいてもこうした動きが始まり、メーカー各社がAIを搭載した製品を相次いで発表し始めた。
温度と湿度の変化を予測 自動で最適な室内環境に
ダイキン工業は11月1日にAIによって気温や気流、湿度や壁の温度などを測定して快適な温熱環境をつくる「うるさら7(Rシリーズ)」を発売する。
Rシリーズは、室外機の周囲から水分子を集めて室内を加湿する「無給水加湿」や、気流を真下に向けて送る「垂直気流」などの特徴をもつ家庭用ルームエアコンの最上位機種。従来機種では、室内の温度・湿度のセンシングにより快適さを算定していたが、新機種では、壁や床の温度、過去にユーザーが行なったリモコン操作履歴をAIが解析、好みの温熱環境を学習し自動で温度・湿度・気流をコントロールする。
エアコンは設定温度を微調整する人が多いが、同社では運転開始から30分以降にリモコンを操作した際の温度や湿度を利用者が好む環境と定義。データを蓄積しながらAIが学習を繰り返し、空間をより快適な環境に近づけていく。
室内機のセンサーは、室温や湿度に加えて壁面の温度も測定する。冬場は壁面の温度が低いと肌寒く感じるため、暖房の温度を上げて壁や床も暖める。
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