2018.10.23

積水ハウス、ヒートアイランド対策分譲の開発を本格化

ZEH+αの取り組みを推進

積水ハウスはヒートアイランド対策を施した分譲住宅の開発を本格化させる。さいたま市の西大宮で様々なクーリングアイテムを採用した戸建分譲住宅を開発。ZEH+αの取り組みを推進していく。

積水ハウスはJR川越線「西大宮」駅徒歩11分の立地する分譲住宅「コモンライフ西大宮Ⅱ」(さいたま市西区、総区画数12区画(建売住宅8区画、注文住宅4区画))の販売を開始した。

「コモンライフ西大宮Ⅱ」では、様々なヒートアイランド対策の取り組みを実施、埼玉県の「平成30年度先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業」に認定されている。

分譲住宅「コモンライフ西大宮Ⅱ」では、自動散水システムや保水舗装などの様々なクーリングアイテムを採用
蛇かごを窓の近くに設置することで、冷やされた空気を室内に取り込める

自動散水システムと保水舗装で地表温度マイナス15度に

ヒートアイランド対策として、様々なクーリングアイテムを採用している。そのひとつが、自動散水システム。朝6時と夕方18時からそれぞれ30分間散水を行う。駐車スペースには、エスビック製の保水性のある「インターロッキング舗装」を採用。撒いた水が染み込み、蒸散されることでアスファルト舗装に比べると、最高表面温度を約15度下げる効果が見込める。

「今回の分譲の目玉のひとつは、自動散水システム。10万~15万円程度と、それほど大きなコストを掛けずに導入できる。他の分譲地でも水平展開していきたい」(木村良典 埼玉支店長)。

駐車スペース以外には、東邦レオの保水土壌システム「レインターフ工法」を採用。芝生下に雨水貯留層を設け、蒸散効果で空気を冷やす。また、水やりの頻度を減らし、管理を楽にする効果も見込める。

河川の護岸や斜面の補強などに使用される「蛇かご」も、クーリングアイテムとして導入した。これは鉄線で編んだ長い籠に砕石を詰め込んだもので、今回は粉石に火山岩を採用。散水することで、表面に空いた細かな穴が水を吸い込み、蒸散して空気を冷やす。例えば、窓の近くに設置することで、冷やされた空気を室内に取り込める。

積水ハウスでは今後もヒートアイランド対策を施した分譲住宅の開発を進めてきたい考え。「コモンライフ西大宮Ⅱ」での効果も見ながら、埼玉県内だけでなく、全国へ展開していくことも検討。同社ではZEHの提案に特に力を入れているが、ヒートアイランド対策にも取り組むことで、“ZEH+α”の提案として、訴求力を強める。

住宅内だけでなく、住宅外でもこうしたヒートアイランド対策を行うことで、ZEHも実現しやすくなる。また、ヒートアイランド対策は一住戸だけでは難しい部分もある。それだけに、「コモンライフ西大宮Ⅱ」のような取り組みが、分譲住宅の大きな訴求力のひとつになっていくだろう。