住まい手発の長寿命革命

国土技術政策総合研究所(国総研)は8月、木造住宅の劣化対策のガイドラインを公表した。木造住宅の劣化のしやすさと対策を解説した設計施工者向けと、住まい手向けの大きく2つのガイドラインで構成される。産官学連携の共同研究の成果を住まい手向けに情報発信することは初の試みとなる。

住まい手向けのガイドラインの中には、「長持ち我が家を築く!造り手との情報交換ツール」というものも用意した。このツールは、家族構成や土地の大きさ、間取りのほか、希望する住宅の性能などを住まい手が記入し、造り手に伝えるシートや、造り手が提案する住まいの「仕様と価格」の目安を造り手が記入し、住まい手に伝えるシートなどで構成されている。

新築後6年未満の住宅で発生したルーフバルコニーの劣化事故。瑕疵保険の事故のうち、雨水に起因する劣化事故の割合は9割を超えている。劣化事故の抑制に向け、造り手、住まい手の劣化対策への関心を高めていく必要がある

住まい手は、これらのシートが入ったファイル一式を造り手に送付し記入を依頼する。造り手が記入する「仕様と価格」シートには、基礎や床下、躯体材、外壁、バルコニー、屋根など、住まいの耐久性に大きな影響を及ぼす部位ごとに、それぞれの仕様を入力するチェック項目を用意した。国総研では、各部位ごとに推奨の納め方なども示し、住まいの耐久性に関する推奨仕様採用率を1枚の評価シートで示す機能も持たせた。国総研では、「造り手からの返信内容を横並びに比較検討し、住まい選びの参考にしてほしい」としている。


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