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2020.6.12

コロナ機に見直される郊外住宅地 「郊外住宅地再生フォーラム2020」オンライン開催

東京大学先端科学技術研究センターとミサワホームなど民間企業3社が共同で

新型コロナの影響は、さまざまな分野に影響を与えようとしているが、とりわけ注目と期待を集めているのが郊外の住宅地。都心回帰と高齢化を背景に活気を失くしつつある郊外住宅地だが、テレワークやステイホームを機に、広めの一戸建てと緑豊かな住環境の良さが再認識されようとしている。こうしたなかで、6月6日、「郊外住宅地再生フォーラム2020」がオンライン開催された。


このフォーラムは、東京大学先端科学技術研究センターとミサワホーム、大和ハウス工業、東急不動産R&Dセンターの3社が合同で開催。東京大学は、郊外住宅地再生の手法やモデル構築を目指し、昨年10月から3年間のプロジェクトとして学内に研究部門を立ち上げており、今回はその関係者が集い、キックオフイベントとして実施。

東京圏の郊外住宅地において4者が取り組む事例を踏まえ、今後の郊外住宅地の再生手法と可能性について議論しようとの狙い。主催者によるとオンライン参加者は300名を超え、関心の高さをうかがわせた。

事例報告では、大和ハウス工業は「上郷ネオポリス」(横浜市栄区)でのコンビニエンスストア併設型のコミュニティ施設「野七里(のしちり)テラス」をはじめ、地域住民との協働による活動事例を報告。

また、東急不動産R&Dセンターからは「こま武蔵台」(埼玉県日高市)で実施した、若年世代の流入を目的とした空き家リノベーションやテレワーク常態化での郊外住宅地でのコワークプレイスの実証計画について報告した。

ミサワホームは、「新百合ヶ丘」(川崎市麻生区)地区で、小田急電鉄が実施するオンデマンド交通「しんゆりシャトル」の実証実験と連携した調査研究事例について報告した。

ここでは、“交通と住まい”の観点から、住宅地の老朽化対策とあわせて高齢者の外出機会を増やし、交流を促す仕組みづくりを検証中。オンデマンド交通「しんゆりシャトル」は、小田急電鉄が、アプリひとつで地域内を移動できる次世代モビリティサービスの可能性を検証するため運行していた。

ミサワホームは、このオンデマンド交通を利用できるエリアにあるミサワオーナーを対象に、今年2月、住まいの利用状況と改修意向など調査。今回の事例発表では、この調査結果を報告した。

それによると、使用していない部屋は「2階洋間」が多く、「駐車場」も現在未利用であることが多かった。また、改修意向があるものの多くは「外装、屋根、水回り」であった。

さらに、住環境や利便性の高さから、回答者の8割は継続居住を望んでいた。

住まいの継承については、子どもへの継承を希望しているが子どもはすでに住宅を所有しており、また遠隔地に住んでいる人も多いことが分かった。相続や贈与に関する不安があることも分かった。

「継続居住のニーズを実現するためには、地域の交流を促しコミュニティを形成する、まちに開かれた駐車場と庭の活用プランや空き室活用のモデルプランなどの具体的なプラン提案が必要。また、不安要素である相続や贈与についても手続きなどの啓蒙が重要だ」(ミサワホーム・石塚部長)と考察した。

さらに、在宅ワークによって、これまで中心市街地で行っていた買物や食事、交流などの機能の一部を家や住宅地が代替していくことが考えられ、自由な移動を得られるモビリティが住宅地再生には求められてくることにも言及した。

事例紹介の後、東京大学先端科学技術研究センターの小泉教授をコーディネーターに、有識者も交えてパネルディスカッションが行われた。

「郊外住宅地の“疎”はむしろ資源」「人的資源をつなぐ活動が大事」「住民の介護需要まったなし。住民が株主になって事業会社をつくってはどうか」「生活圏の再構築は子どもでなく大人が主役」など、まちの再生手法に関する活発な議論が繰り広げられた。

可能性と期待を集める郊外住宅地がふたたび輝きをましていくのか、注目だ。


実証(外出、来客を促すための改修)のイメージ

アトリエに改修
リビングポーチ
庭の改修
出典・写真とデータはすべてミサワホーム提供

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ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
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