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2021.10.12

基準地価、住宅地の下げ幅は縮小

2年連続下落も、東京郊外の上昇が加速

国土交通省の「令和3年都道府県地価調査」(基準地価)によると、全国の地価はコロナ禍の影響で住宅地は2年連続下落したものの、前年度よりも下げ幅は縮小。首都圏では、東京郊外の上昇継続が目立った。


国土交通省は「令和3年都道府県地価調査」(基準地価)を発表した。

用途別にみると、住宅地0.5%下落、宅地見込地0.2%下落、商業地0.5%下落、工業地0.8%上昇となった。

住宅地の地価について、圏域別に対前年比の変動率を見てみると、東京圏は0.1%上昇と下落から上昇に転じた。大阪圏は0.3%下落と2年連続の下落となったが下落幅は縮小した。名古屋圏は0.3%上昇と下落から上昇に転じた。地方圏は0.7%下落だったが下落幅は縮小。地方圏のうち、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)は4.2%上昇と9年連続の上昇となった。また、地方四市を除くその他の地域は0.8%下落と下落が継続しているが下落幅は縮小している。

このうち、東京圏の住宅地の地価の上昇については、根強い人気の都心部に加え、郊外の住宅需要の高まりが大きく影響を与えている。テレワークの普及で都心のオフィスに出社する頻度が減ったことで郊外の住宅需要が増加し、その結果、郊外の住宅地の地価の上昇につながっている。

例えば、上昇率は東京都では武蔵野市1.5%、調布市1.1%、府中市1.0%、立川市0.7%と郊外で高い。また、千葉県では浦安市2.4%、市川市2.1%、木更津市1.2%、埼玉県では川口市1.2%、戸田市1.7%と東京近隣県でも地価の上昇が目立つ。こうした郊外での地価の上昇傾向は前年度もみられたが、今年は上昇幅が大きくなり、より郊外住宅地の需要上昇が加速していることが見て取れる。

実際に大和ハウス工業ではマンションの販売状況について「昨年度も郊外での売れ行きが良かったが、今年は拍車が掛かっている」とマンション事業本部 事業統括の角田卓也部長は話す。湘南や調布の物件の売れ行きが非常に好調だという。

野村不動産も郊外の分譲マンション需要を感じており、「間数・広さを求めての準都心や郊外物件の販売も好調で底堅い重要を感じている。新築だけでなく中古売買も好調で、これを受けて4月〜6月の首都圏での成約件数が過去最高を記録した。コロナ禍の住み替え需要はまだ一巡したとは考えていない。総じて強い需要を感じる状況」と松尾大作社長は今後の期待感を示す。

東京郊外の住宅需要がますます好調に推移しているだけに、今後も郊外の地価上昇の傾向が継続する公算が大きそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.629(2021年20号)

特集:

蓄積されるエビデンスの最前線

住まいの温熱環境が居住者の健康を大きく左右する──そのエビデンスが着実に蓄積されつつある。
断熱性や気密性を高めることは暮らしの快適性につながるだけでなく、健康にも影響することは従前から指摘されてきたが、これらは経験や体験に基づくものであり、医学的なエビデンスに裏打ちされたものではなかった。
しかし、ここ10年間ほどの間に温熱環境と健康に関する研究が進み、その成果がまとまり始めている。
温熱環境と血圧、睡眠、虚弱、皮膚疾患などとの関係が明確になりつつあるのだ。
高性能住宅は、省エネ性や快適性などだけでなく、こうした健康面での価値を持つ。
住まいづくりも大きく変わりそうだ。
それぞれの分野の学識経験者に、研究の最前線、その影響などについて聞いた。

住まいと健康
慶應義塾大学理工学部システムデザイン科 教授 伊香賀俊治氏
温熱環境と睡眠
関西大学環境都市工学部建築学科 教授 都築和代氏
温熱環境と高血圧
自治医科大学循環器内科学部門 教授 苅尾七臣氏
温熱環境と皮膚疾患
岐阜工業高等専門学校建築学科 教授 青木哲氏
温熱環境と虚弱
北九州市立大学国際環境工学部建築デザイン学科 准教授 安藤真太朗氏

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