進む不動産の賃貸契約のデジタル化
テレビ電話での重説が解禁 電子契約で業務効率化の提案も
不動産の賃貸契約分野でITの導入が進んできている。国土交通省はテレビ電話などを利用した重要事項説明(IT重説)を10月から解禁。民間事業者からは電子契約で業務効率を向上させる提案も出てきている。
国の規制緩和や事業者の新提案により、不動産の賃貸分野でITの導入が加速しており、今後、消費者の利便性や事業者の業務効率の向上が期待できそうだ。
国土交通省はこれまで社会実験などを行い実用化に向けて検証を進めてきた不動産契約のIT重説を、賃貸契約に限り10月から認めた。これまで、不動産契約時の重説については宅建業法上、店舗などで対面して行うことが義務付けられていた。だが、実証実験で問題ないことが確認されたため、今後は賃貸契約に限り店舗などに行かなくてもPCやスマートフォンでのテレビ電話などを通じてどこからでも行えるようになった。IT重説の利用にあたり事前登録などは必要なく、宅建業者であれば実施できる。
宅建業者に一度も会わず賃貸契約を結ぶことも可能に
不動産の賃貸契約においてIT重説が可能になったことで、様々なメリットが考えられる。たとえば、転勤や入学などによる遠隔地からの引っ越しで賃貸住宅の契約をする際に、移動の手間やコストの削減が期待できる。これまでは物件の確認と重説のたびに引越先の宅建業者のもとに足を運ばなければならなかったが、今後は自宅で重要事項説明を受け、賃貸契約することが可能になる。
さらに言うと、IT重説が可能になることで、宅建業者と一度も対面せずに賃貸契約を行うことも可能になる。例えば、内覧については、不動産ポータルサイトでの物件紹介やVRでの内覧サービスなどが充実してきており部屋のイメージを掴みやすくなっている。また、スマートロックを導入することで宅建業者が立ち会わずに消費者だけで内覧するサービスを提供する動きも出てきている。このため、消費者が納得すれば、IT重説を行い契約書を郵送でやり取りすることで、宅建業者と一度も会わず不動産の賃貸契約を行うことも可能だ。
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