New   2026.8.26

国土交通省「国土交通白書」 道路の渋滞による損失は年間約370万人分の労働時間

インフラの効果的な利活用が不十分

 

現在、日本社会は目に見えない巨大な「時間ロス」に直面している。国土交通省が公表した「令和8年版 国土交通白書」によると、2021年の日本の自動車の年間移動時間は約149億人時間に上るが、そのうちの約41%にあたる「年間61億人時間」が渋滞などによって損失している。これは、年間「約370万人分の労働時間」に匹敵する。さらに、この渋滞によるロスは日本のCO2総排出量の1.3%にも相当し、環境面への負荷も小さくない。

こうした時間ロスの背景には、日本のインフラが効果的に利活用されていない現状がある。日本の道路ネットワークのポテンシャルを示す自由走行速度は全道路で61㎞/hとされているが、実勢速度はこれを大きく下回っている。

渋滞による時間ロスは、各産業に深刻な影響を及ぼしている。事業者アンケートでは、製造・建設・運輸業において「交通渋滞による輸送時間のロス」がインフラの最大課題として挙げられた。住宅産業をはじめとする建設業では、深刻な職人不足を背景に現場の生産性向上が急務となる中、資材搬入の遅れや移動時間のロスは、効率的な住まいづくりのボトルネックとなっている。

また、観光業においても「観光地周辺の交通渋滞による時間のロス」がトップ課題となっている。観光客が集中する地域では、渋滞や混雑が地域住民の生活にも悪影響を及ぼしている。一方で、地方部では移動手段が十分に確保できない「交通空白」が社会問題化しており、渋滞による時間ロスと交通空白による移動の制約が相まって、地域経済の成長力や観光消費の機会を奪う要因となっている。

年間61億人時間 約370万人分の労働時間
日本のCO2総排出量の1.3%に相当

既存インフラの再構築と賢い利活用


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