New   2026.8.21

トヨタホーム、30年代に営業利益100億円超へ 愛知の3社統合で構造改革加速

新築戸建は良品廉価とハイブランドの2本柱

 

トヨタホームが2030年に向けて抜本的な構造改革に乗り出す。営業利益100億円超の企業を目指し、事業のさらなる多角化と成長分野への投資、販売体制の再編などに注力する。

2025年に住宅事業創業から50周年の節目を迎えたトヨタホームが、次の50年に向けた抜本的な構造改革をスタートさせた。

これまでの50年の歴史を振り返りながら、先の50年に向けたビジョンを説明した西村祐社長

2025年度決算では、売上高が前年同期比7.7%増の1924億円、営業利益が同72.5%増の97億円と増収増益を達成した。20年度から25年度にかけて進めてきた中期取り組み「PhaseⅠ」では、新築戸建住宅の磨き上げと事業の多角化を進めてきた。その結果、19年度時点と比較すると、売上・利益の約6割を占めていた新築戸建事業は、賃貸住宅を含めて約5割の規模へと変化した。一方で、既存オーナー向けのリフォームや買取再販を担うストック事業や不動産開発を軸とするまちづくり事業の売上に占める割合が伸長し、収益を支える柱へと成長してきている。

次の50年につなげるため、西村祐社長は「この10年が非常に重要であり、土台と基盤をしっかり作り上げたい」と語る。特に26、27年度は持続的成長に向けた会社基盤・事業基盤の足場固めに集中する方針だ。

具体的には、第一に「会社基盤の強化」として、従業員の働く環境改善やIT環境の充実による生産性向上、インナーブランディングの強化を図る。さらに「成長事業への投資と体制強化」として、まちづくり、ストック事業への投資を加速させる。また、「顧客の創造(強化)」として、トヨタグループの強みを生かしながら、特に愛知県を中心に事業の垣根を超えた顧客獲得を目指す。

西村社長は「短期的な利益追求よりも中長期の利益と信頼を得ることを何より優先したい。2030年代の早いうちに安定して営業利益100億円を超える企業構造へと成長できると確信している」と宣言した。

新築事業においては、近年の住宅価格高騰と若年層の持ち家意向の高まりに対応するため、「良品廉価」と「ハイブランド」という二極化戦略を提示する。

良品廉価の分野では、あらかじめ厳選されたプランから選ぶ企画型商品「SINCE BiSS(シンセビス)」のプラン数を300へ拡大。今秋には、外観のシルエットを固定しながら間取りの変更に柔軟に対応できるセミオーダー商品も発売する。これにより、現在新築全体の約7%にとどまる規格・セミオーダーの割合を20〜25%まで引き上げる計画だ。

ハイブランドの分野では、首都圏で展開する1億〜3億円台超の高級分譲住宅「EST(エスト)」を強化。注文住宅では、大開口・高天井や上質な素材感を活かした「ファーストクラスリビング」提案を推進する。

さらに賃貸分野では、都市部の狭小地に対しては、パナソニックホームズとの協業による制震鉄骨軸組構造「エスパシオUD」を、郊外では自社鉄骨ラーメンユニット工法の商品をそれぞれ訴求し、2030年までに全国で年250〜300棟体制を目指す。また、ユニット工法の大空間を活かして医療クリニックや自動車ディーラー店舗などの非住宅分野へも領域を広げる狙いだ。


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