自宅に人を招くこと

 

読者のみなさまは、自宅に人を招いているだろうか。弊誌40周年企画で「現代・和室の会」の内田青蔵会長にインタビューした。和室をめぐる内田氏の様々な意見の中で心に留まった1つが、住まいにおける「接客」の話だった。

欧州の或る友人の自宅。リビングに畳を敷いた即席「茶室」をつくり招いてくれた

かつて日本の住宅における和室は「接客のための空間」としての役割を担っていた。客人を迎え、もてなすための床の間があり、そこに季節の花や掛け軸を飾る。内田氏は「日本の住まいから和室が減少しつつあることは、物理的な問題にとどまらず、私たちの住まい方や他人の関わり方という生活文化そのものの変容と深く結びついている」と話す。「接客という行為が急速に消え去り、住まいは家族、あるいは個人だけの空間へと閉じられつつある。他人の目が入らず、散らかっていても、都合のよいものだけに囲まれていればそれでいい、という私的な領域の深まりは、住まいの美意識や作法といった暮らしの文化を退廃させていく要因になりかねない」と、接客の減少による文化の衰退を危惧していた。


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