内閣府「防災白書」 相次ぐ大規模地震の被害が国民の意識を変えてきた
「自らの命は自ら守る」「大切な人を守る」の意識が定着
この四半世紀、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震と、大規模な地震災害を経験して国民の防災に関する意識は大きく変化してきた。
国は「事前の備えの重要性」を強く打ち出し、「大規模災害による被害を軽減するためには国民一人一人が、各地震発生時に自らが極めて困難な状況に見舞われる可能性があることを「自分ごと」として受け止めることが不可欠である」(令和8年版 防災白書)と、「自らの命は自らで守る」「大切な人の命を守る」という「自助・共助」の取り組みを推進している。
令和7年「防災に関する世論調査」(内閣府)によると、「自然災害が起こった時に、被害を少なくするため自助、共助、公助のどれに重点をおくべきと考えているか」への回答は、「自助」が29%、「共助」が18%、「公助」が10%、「バランスを取るべき」が41%であった。年齢別でみると、「自助」と「共助」との回答は70歳以上で、「バランス」との回答は50歳でそれぞれ高い。

この考え方は、時代によって大きく変化している。「自助」は02年の2割弱から13年に微増したが、17年に約4割に倍増、その後は3割弱で推移する。「共助」は「自助」よりも割合は少ないものの、ほぼ同様の傾向となっている。一方、「公助」は02年に25%であったものが13年に1割弱に減少、17年に6%にまで下がったものの、22年、25年と9%程度の推移が続く。また、「バランス」は02年の37%から13年に56%と20ポイントも増加するものの、17年には3割弱に減少、以降は約4割が続いている。
13年調査、17年調査で大きく意識が変わっているが、これは11年の東日本大震災、16年の熊本地震が影響しているようだ。4分の1を占めていた「公助」は東日本大震災以降、1桁台で推移しており、「災害対策は行政任せでよいという従前の意識が大きく変化した表れと考えられる」と「防災白書」では分析している。また、「自助」は16年の「熊本地震」を境に倍増、その後は減少したものの3割弱の推移が続いている。
「防災白書」では、「自助、共助、公助のいずれかに災害対策の責任を重点的に帰したり、役割分担を固定化したりすることは適当ではない。被害の最小化という共通目的のため、互いに補完・充足しあう柔軟な関係を構築することが重要」と指摘している。
自然災害への準備が頭打ち
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