〝政策金利1%〟のインパクト 価格高騰にローン利上げで住宅市場が激変
住宅価格高騰に住宅ローン金利の利上げと住宅取得環境が悪化しつつあるなか、日本銀行が「政策金利1%」を決めた。
住宅ローン金利の利上げは間違いなく、住宅市場に大きな影響を与えそうだ。
日本銀行が政策金利を0.75%から1%程度に引き上げることを決めた。昨年12月以来の利上げで、1%の水準は31年ぶりとなる。住宅ローン金利上昇が必至となるなか住宅購入の実需は底堅いものの、購入に慎重になる人が増えつつあり、警戒感が広がりつつある。政策金利のさらなる利上げが予想されるなか、住宅需要への影響が懸念される。
政策金利1%の決定以降にLIFULL HOME'Sが行った「住宅ローンに関する定期意識調査」で、住宅購入検討者の意識の変化が明らかになった。日銀の利上げ発表による住宅購入意欲への影響は、「購入にやや慎重になった」が57.4%、「購入を当面見送ることにした」も6.5%おり、金利上昇を受けて警戒が強まっている。一方で「購入意欲は変わらない」も36.2%と一定数おり、同調査では「金利上昇は購入検討者にとってブレーキ要因になっているものの、購入を断念するまでには至っていないよう」とみている。

(写真:中央住宅の「リーズン市川森都」)
政策金利の1%への利上げが決まったことで住宅ローンの金利上昇は必至で、住宅市場に大きな影響を与えることは間違いない。
実際、ここ数カ月の金利上昇局面においても、特に戸建分譲住宅の販売は好調に推移している。住宅価格高騰に加え、住宅ローン金利の先高観が「様子見をしていてはさらに購入が難しくなってしまう」と、住宅需要者が動いたとの見方が強い。
住宅ローン金利上昇で分譲では駆け込みが
埼玉県を中心に「地域密着型経営」を展開するポラスグループの戸建分譲住宅の26年4~6月の契約棟数は、前年同期比22%増と好調に推移、同グループ中央住宅の品川典久社長は「価格高騰や金利上昇を見据えた駆け込み需要的なところがある」と指摘する。月別契約棟数をみると、4月が332棟で同23%増、5月が318棟で同29%増、6月が275棟で同16%と、各月ともに前年を大きく上回るペースで推移、反響数自体も増加しているという。品川社長は「金利上昇に加え物件価格そのものが上がっていることで、『早めに買った方がいいだろう』というお客様の動きが出ている」と背景を分析する。

首都圏でのコンパクト戸建分譲住宅を強みとするオープンハウスも、数字は非公開ながらも春先から戸建分譲住宅の販売はきわめて好調だという。同社担当者によれば「今後のさらなる価格高騰を見据えた『先高観からのインフレヘッジ』として購入を検討する動きが活発化している」という。マンション価格高騰や家賃・金利の上昇も重なる中で、「引き延ばすほど住宅価格が上がるため、今動くことが最善のリスクヘッジであると捉えた活発な動きが、現在の好調な販売を後押ししている」と、説明する。契約後に今後の金利動向について不安視し、万が一引き渡しが遅れた場合の金利や利払いの負担(補償の有無)を気にする声も多いという。同社は金融機関と綿密に連絡を取り、顧客のローンに関する不安感を払しょくするよう努めている。
分譲住宅最大手である飯田グループの中核企業、一建設も足元の販売状況は好調で、5月の首都圏事業部における分譲戸建の販売棟数は前年同月比で約5%増加した。同社担当者は「物価や住宅ローン金利の上昇を受け、お客様の購入判断が慎重になる一方で、住宅価格や住宅ローン金利が上昇する前に購入したい、という意識も強く感じられる」と、金利上昇が購入意識に大きく影響していると説明する。
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