団地の「のりしろ」
「実は、再生という言葉があまり好きではないんです」。今回の特集の取材中、様々な団地に関わってきたというUR都市機構 東日本賃貸住宅本部 神奈川エリア経営部葉山泰三総括役の言葉にはっとさせられた。葉山氏は「団地というのは固定された形ではなく、常に変化の途中にあるべきもの」と話す。

開発から長い年月が経った住宅団地の再活性化を図ることを一般的に「団地再生」という。今回もその考えに則り、活気を取り戻した団地を取り上げ、「団地再生のいま」というタイトルにした。今回事例として取り上げた住宅団地は、いずれも活気を取り戻し、その後も変化し続けている。「再生」という言葉は失われたものを取り戻す意味合いが強く、未来に向けて変化し続ける団地の状態を表すにはふさわしくないのかもしれない。
さらに、葉山氏は、そもそも団地は未来の変化を見込んでつくられていると話す。「(日本住宅)公団(URの前身)時代の設計の大先輩たちと話して気づかされるのは、団地の配棟や屋外空間の豊かさには、将来の住民や僕たち後輩が手を加えるための『のりしろ』が最初からたっぷりと残されているということ。未来の人たちを信頼して作られた設計だからこそ、今の社会情勢や多様なライフスタイルに合わせて、柔軟に姿を変えていくことができる」。
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