住宅設計の標準化への誘い
「ハウジングトリビューン」の創刊40周年を機に、「住宅業界への40の提言」をまとめた。その一つが「住宅部品を本気で減らそう」だ。新築市場が縮小し、本格的にストックを活用していくことが重要な時代になった。だからこそ、新築時から設計を見直し、将来、大がかりな「道連れ工事」なしに部品の交換だけで住宅性能を維持できるよう、部品化、規格化、標準化を進めていくべきではないか、という問いかけである。

この問いをストック建築や改修が専門の東京大学・清家剛教授にぶつけてみた。清家教授の答えは明快だった。循環型社会を見据えた新築設計の標準化について「もう遅い」と断言されたのだ。膨大な既存ストックが存在する中で、新築での対応効果が現れるのは数十年後。それよりも、現在ある9割以上のストックへの対応を優先すべきだという。さらに、AIによって古い建物の状況を正確かつ簡易に把握できるようになれば、新築設計の自由度も確保できる、との回答だった。ぐうの音も出ないほど納得した。
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