廃墟、路地裏からの逆襲
群馬県のみなかみ町を訪れた。水上温泉で急速に進む地域再生を見てみたいと思ったからである。10年以上前まで、趣味の関係で年に延一カ月以上はみなかみ町にいた。今で言う関係人口である。当時、みなかみ温泉はザ・昭和な観光地から脱却できず、複数の大規模ホテルが廃業、特に観光的には一等地である渓谷に面したホテルが文字通りの廃虚となっていた。

その水上温泉で大規模な活性化が進んでいる。2021年にスタートした「廃墟再生プロジェクト」である。みなかみ町、群馬銀行、オープンハウス、東京大学大学院工学系研究科が地産官学金包括連携協定を結び、廃墟ホテルの再生などを通じて温泉街の活性化を図る。なかでも「旧ひがき寮」の再生が興味深い。廃業したホテルが社員寮として使っていた建物で、観光とは無縁の裏路地に立地するため建替えや改修が難しく、解体を望む声が増えていたという。学生や地元住民が一部住戸をDIYリノベーション、中庭にウッドチップを敷き「廃墟再生マルシェ」を行っている。この「点」の再生を、温泉街の再生とどう結びつけるか、回遊性が今後の課題となろう。
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