土木・輸送分野での木材利用にも注目を 日本経済を支えるバイプレイヤー
「低質材」とのレッテルは適切か?
先日、土木用材専門の製材業者と久しぶりに会った時のこと。近況報告をし合う中で、彼は最近の出来事として、自社で仕入れている丸太のことを地元の行政関係者から「低質材」だと決めつけられて非常に不愉快な思いをしたのだと口をとがらせてみせた。
木材の利用分野の中で土木用材や輸送資材は、建築用材にはならない丸太を原料とするのが一般的だ。例えば、輸送時に荷物の下敷きにするバタ角(輸送用語では「ダンネージ」)は、建築用材のような精度は要求されないため、樹皮が残っていたり、丸みがあったりする場合がある。多少の曲がりも許容される。
丸太から芯持ちの角材を製材する場合は、上下左右の4面を鋸で挽く。建築用材の場合は、その作業で樹皮や丸みが残らない大きさの丸太が原料になる。10.5㎝角の正角を挽く場合は、製材後の乾燥工程で収縮する分も見込み、最低でも直径16㎝程度の丸太が必要だ。その太さでも丸太が曲がっていては必要な製材寸法が確保できないから、曲がりがほとんどない丸太が選ばれる。

一方、バタ角にする場合は樹皮や丸みがあってもいいので、建築用材にするよりも細い丸太で事足りる。多少曲がっていても問題はない。
そもそも建築材と土木用材や輸送資材とでは使用目的が異なる。建築用材は建物を構成する材料として精度が求められるし、木造建築なら柱でも梁でもそれ自体が主役になる。
それに対して土木用材や輸送資材は、土留めに使われる矢板、地面に打ち込む杭、街路樹などの支柱、荷物の下敷きにするバタ角やパレットなどのいずれもが主役を支えるいわば脇役としての立場になる。
そんな事情があるうえに、原料の丸太が建築用材にならないものでもいいということで、冒頭に紹介した行政マンも「低質材」と口を滑らせたのだろう。実際のところ、建築用の丸太に比べれば形質が劣るわけだし、その分、安価に取り引きされることにもなるので、「低質」と言いたくなる気持ちもわからないでもない。

軽くても強く、柔らかい素材
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