50年変わらぬ徹底した地域密着姿勢 豊かで幸せなまちづくりを追求し続ける

ポラスグループ 中央住宅 品川典久 代表取締役社長

 

ポラスグループの中核企業で主に分譲住宅事業を展開する中央住宅は、昨期初めて売上高1000億円を突破した。また、続く2025年度も好調を維持しているという。
なぜ、同社は市況の悪い中で分譲住宅の契約棟数を伸ばすことができたのだろうか。
その理由の1つこそが、創業以来変わらない地道な地域密着戦略であろう。
住宅産業が変化する中でも地域密着の信念を貫き続ける家づくり、まちづくりについて、品川典久社長に話を聞いた。

いつでも会社の使命に立ち返る

── 初めて売上高1000億円を突破するなど、昨期(2024年度)は主力の新築分譲事業だけでなく、売買仲介事業も好調だったようですが。

品川 典久(しながわ・のりひさ)1955年7月16日、神奈川県生まれ。1978年に日本工業大学工学部建築科を卒業し、中央住宅入社。戸建分譲事業部事業部長、同社取締役、ポラテック取締役、ポラス取締役、中央住宅常務取締役を経て、11年に中央住宅社長就任

おかげさまで今期(25年度)も前年度の棟数は超えそうです。その要因はいくつかあると思うのですが、数字だけを追い求めてこなかった結果ではないかとも考えています。

当然ながら民間企業なので、売上高や利益の追及は必須です。しかし、数字を追い求めることだけを目的化してしまうと、見失ってしまうことがあります。

現在、日本社会における住宅の数は十分足りていると言われています。そのため、日本の住宅市場で成長できる可能性は限られていると考えてしまいます。会社の利益を追及していくためには、商圏を拡大したり、さらには海外に手を広げたりする必要がある―と。

数を追い求めようとすると、そうした戦略に行きつくのかもしれません。しかし、私は日本の住宅はまだ足りていないと見ています。確かに数字の上では住宅は足りているどころか、余っています。しかし、住宅の質や住宅を取り巻く環境、コミュニティなどに目線を移した時、本当に「住宅はもう足りている」と言えるのでしょうか。住宅を通した豊かな生活は、まだまだ足りていないのではないでしょうか。
我々は拠点を置く埼玉県越谷エリアを中心としながら、地域に根ざし、豊かで幸せなまちづくりや暮らし方を追求していく会社でありたいと考えています。いまだに「豊かさとは何か」「幸せとは何か」という問いかけに対する答えにはたどり着いていませんが、住宅づくりやまちづくりを通して、それが何かを考え続けることこそが大事だと思っています。

── 豊かな生活、幸せな生活が足りているといえるのか、という意見にはっとしました。そうした考え方の元はどこにあるのでしょうか。

根幹には、ポラスグループの創業者である中内俊三が掲げた経営理念があります。そのうち第一に掲げられているのは会社の使命で、一言で言えば「住まいやまちづくりを通して、豊かで楽しく幸せな暮らしを提供すること」です。住宅事業者として売上や棟数を追い求めるのは当然のことですが、会社には存在意義としての「目的」がなければなりません。迷ったときは常に当社の使命に立ち返るようにしています。

会社の採用試験を受けに来る学生に「住宅業界は少子高齢化で、あまり伸びない業界だと思いますが、どうするんですか」と聞かれることがあります。「ポラスグループは住宅を通して、地域を豊かに、幸せにしていく会社です。そう考えるとこれからやることがたくさんあります」と答えています。

尽くせば戻って来る「たらいの水」

── 理念に基づき、地域に根差した地域密着の企業として、様々な地域貢献活動を継続されています。

ポラスグループの地域での取り組みとして、1985年から支援している「南越谷阿波踊り」がよく知られていると思いますが、それ以外にも地域の様々な活動に〝黒子〟として参加しています。

我々の〝地元〟では、まちを豊かにしたい、人が集まるまちにしたいと真剣に思っているが、予算などの関係でなかなか実行できないという方がたくさんいる。そうした方々の話を聞くと、ただ開発して売るだけではなく、やっぱり何かしなきゃいけないという気持ちが出てきます。

例えば、越谷市内での子ども食堂の応援や、地元の人たちと協力して作った越谷市初のキャンプ場開設、地域のお祭りへの協力や、少年野球大会の協賛、地元の有志と連携したアルゼンチンタンゴのイベント支援、ごみ置き場へのごみネット設置協力などです。

地域の中で何かをやりたい人、始めたい人の相談を受け、支援する。困っている人を助ける。こうした活動は直接的な儲けを目的としたものではありません。しかし、たらいの中の水を押すと、たらいの中をめぐって手元に水が戻ってくるように、人のために尽くしていれば、それが巡り巡って情報や信頼として自分たちに戻ってくると信じています。実際にそうした活動が人の縁を生み、企業イメージの向上や、用地の情報取得などにつながっており、結果として新築契約の約4割以上が紹介からの契約となっていることにも表れています。


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