New   2026.5.15

法改正から1年 なお遅れが続く建築確認審査

申請書類の不備などがボトルネックに

 

4号建築特例の縮小と省エネ基準の適合義務化から1年以上が経過したが、まだまだ建築確認審査をめぐる状況に混乱が生じていることが国土交通省のアンケートなどで明らかになった。ナフサショックによる影響も表面化しているだけに、住宅事業をめぐる状況は厳しさを増している。

審査期間が30日超の検査機関が半数以上 国交省調査

国土交通省が2026年4月1日~10日の期間、指定確認検査機関などを対象に実施したアンケート結果によると、確認申請の審査にかかる期間が30日を超えている検査機関は42機関にのぼっている。30日以下の検査機関は40機関となっており、アンケートに回答した検査機関の半数以上が30日超の審査期間を要していることになる。

その一方で徐々に状況が改善されている様子も伺わせており、審査期間が最大となった時期を聞いた結果では、「2025年4~6月」が28機関で、直近の「2026年1~3月」は15機関に減少している。

審査日数が伸びている理由としては、「不備の多い申請への指摘に時間を要した」といった回答が多くなっており、いわゆる手戻りの多さが審査業務のボトルネックになっているようだ。

住宅関連事業者から業務への影響を訴える声も

一方、ハウジング・トリビューン編集部が確認検査に関する状況を住宅事業者などに聞いた結果では、確認申請に関する状況はいまだに混乱しており、業務に影響を及ぼしているという声が多かった。

具体的には、「審査が遅れて着工に間に合わない。確認と性能評価の図面整合性を合わせるのが大変。添付資料が多い」(設計者)、「確認申請許可までの期間が以前の倍近くになり、着工予定がずれ、基礎業者の工程調整が多発している」(工務店)、「受注計画が立たない、お客様のスケジュールに合わない」(工務店)といった声が挙がっている。

また、「照明器具の位置図が無いと確認が下りない。毎回軽微な変更が出てくる」(設計者)といった意見もあり、申請者と審査側の認識のズレなどによる手戻りが発生している様子がうかがえる。

建築確認申請に関する住宅関連事業者の主な声

設計者審査が遅れて着工に間に合わない。確認と性能評価の図面整合性を合わせるのが大変。添付資料が多い。
ソフトメーカーユーザ側での壁量計算や外皮計算、法改正についての理解が進んでおらず、ソフトの問い合わせ窓口(本来ソフトの問い合わせのみ)に質問問い合わせがくるため回線がひっ迫する。
工務店確認申請許可までの期間が以前の倍近くになり、着工予定がずれ、基礎業者の工程調整が多発している。
ハウスメーカー建築確認待ちにより、着工が読めない。業者不足の状況なのにスムーズな着工が出来ない。新築の補助金がGXから長期優良住宅にシフトし、構造計算の日数が加わり、設計業務・審査を更に遅らせている。
行政機関完全に人不足状態となり、業務が回らない。
工務店手間と時間が掛かりすぎ。
設計者仕事の遅延、それに伴い請求が出来ない。
工務店審査機関の混み具合によって審査にかかる日数が増減し、工程に多少影響が出る(お施主様の希望より遅れる場合が多い)。
工務店工期の延期。
評価機関業務量の増加。
ハウスメーカーリードタイムが長くなったことで、仕掛業務が増加したことによる生産性の低下。
工務店契約から着工までの期間が延び、キャッシュフローが悪化している。
設計者確認申請機関が人手不足で申請スケジュールがどんどん遅れている。
設計者省エネ図作成者がいない。
設計者確認申請・長期優良住宅の構造・省エネ審査の長期化。
建材メーカー販売数量減に影響。
住宅資材の商社等全体的な遅延。従来言われなかった書類等の準備。
建材メーカー駆け込み受注後の落ち込みなど山谷が出来たことなど。
設計者照明器具の位置図が無いと確認が下りない。毎回軽微な変更が出てくる。
工務店受注計画が立たない、お客様のスケジュールに合わない。
ハウスメーカー申請受付まで1か月以上を要している。

ここにきてナフサショックによる資材調達の混乱を表面化しており、業務の混乱や工期のさらなる長期化などが発生する懸念も高まっている。

国でも申請図書等の作成方法に関するマニュアルの作成・配布を行うなど、手戻り作業の削減に向けた取り組みを進めているが、申請者・審査機関双方での情報共有を図り、審査業務の円滑化に向けた環境整備をいち早く進める必要がありそうだ。