20年ぶりにスローフード食科学大学を再訪

コミュニティとして機能、身の丈以上に大きくしないがポリシー まるで食の国連、地域全体のプロモーションの一助に

 

イタリア共和国北西部のピエモンテ州ブラ市郊外、ポッレンツォ(Pollenzo)のスローフード食科学大学(The University of Gastronomic Sciences、略称:UNISG)を訪ねた。「ハウジング・トリビューン」2024年17号特集「イタリアのアグリツーリズム」の対談で登場された岡崎啓子さんの計らい。彼女は同大学の1期生。大学が20周年ということで、改めて現地を訪ねましょうとなった次第。

1980年代の建造物をリノベーションして生まれかわり大学となった

実は、大学を訪れるのは、今回が3度目。1度目は開設前の2003年。スローフードの食の祭典「サローネ・デル・グスト」の時で、「もうすぐ大学ができる。行ってみないか」と、当時の理事・ジャコモ・モヨーリさんに案内されたのだが、そのとき、大学がなんと、1830年代の貴族でサボイ家カルロ・アルヴェルト2世が建てたネオゴシックの建築物。1993年から2000年にかけて放置されていた。それをリノベーションするというもので、その現場を見て仰天したのだった。そのあと開校した2004年に訪ね、20年ぶりの再訪となった。

今回は、大学の担当のアレッサンドラ・アッボーナさんの案内で、コーディネートと通訳は岡崎啓子さん。

この城は、農事試験場という役割で、当時、農業技術の発展のために作られたのだという。長い間、使われていなかったものを、国際スローフード協会の創設者カルト・ペトリーニ氏の提唱で食の大学が創られた。


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