中流に寄り添う住宅を

Minoruが譲渡型賃貸住宅「家賃が実る家」で展開する建物プランの一例

中流の危機が進行している。国のデータによると世帯所得の中央値はこの25年で約130万円減少。国税庁の「民間給与実態調査」によると2021年の給与所得者の平均年収は433万円、平均年齢は46.9歳であった。2022年10月に放送されたNHKスペシャル「中流の危機」では、危機に直面する中流の象徴として、30代くらいの子育て世帯が、コロナで想定外に給与が伸び悩み、購入したばかりの夢のマイホームを手放さざるを得ないという場面からスタートした。やむなく移り住んだ中古の一軒家で、ここから生活を立て直そうと前を向く夫婦の姿に、かすかに明るいものは感じられたが、現実はこんなにも厳しいのか、と強く印象に残っている。

世帯所得が伸び悩む一方で、資材高騰を背景に、住宅価格の値上がりは続いている。住宅会社各社に聞くと、ウッドショックなどが始まる2020年頃と比べて住宅1棟当たり200万円~300万円値上がりしている。住宅価格高騰の影響で住宅販売にブレーキがかかり、住宅着工も伸び悩む。不振が続くのは持家で、10月の「建築着工統計調査」によると前年同月比18.7%減の2万1834戸で、11カ月連続の減少となった。

こうした社会環境のベースは2023年も続くだろう。とはいえ、住宅業界も手をこまねいているわけではない。新しい仕組みで、住宅購入の不安を解消し、需要を喚起しようという動きが見え始める。


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