2024.1.11

[2024年の注目マーケット]持家市場 住宅価格高騰という社会課題の解消へ

冷え込む市場に新しい規格住宅、分譲住宅が切り札に

住宅価格高騰により持家は23カ月連続の減少と、長期的な需要低迷期を迎えている。とはいえ、持家を望むニーズは根強くある。本格的に冷え込む持家市場のなかで、今、大きく動き出しているのが規格住宅と分譲住宅の市場だ。需要を喚起する次の一手が求められている。

持家市場の冷え込みの大きな要因の一つが住宅取得価格の高騰だ。(一社)住宅生産団体連合会がまとめた「戸建注文住宅の顧客実態調査」(2022年度)によると、全体の住宅取得費(土地代を含む)は前年度比587万円上昇の6370万円で、8年連続で過去最高を更新。初めて6000万円を突破した。

このうち、建築費は408万円上昇の4224万円で15年連続の上昇で過去最高値となり、注文住宅4000万円の時代に入った。特にここ5年の上昇幅が大きく、建築費だけで約1000万円上昇している。住宅の延べ床面積は123.6㎡で、昨年度より0.9㎡縮小。2015年度以降縮小傾向が続いている。平均建築単価は34.2万円/㎡で、2021年度より3.6万円上昇、2015年度以降上昇傾向が続いている。

さらに都市中心部や生活利便性に優れた地域における地価上昇も拍車をかける。国土交通省の「令和5年都道府県地価調査」によると、全国的に地価上昇が広がっている。

住宅地では都市部とその周辺で上昇しており、特に地方都市周辺での再開発を背景にした伸びが大きい。全国平均は、全用途平均で2年連続上昇、三大都市圏平均、地方圏平均ともに住宅地・商業地で上昇している。コロナ禍からの回復傾向が全国的に進み、また、金融緩和政策などが需要を下支えしているとみられる。

一方、世帯所得が伸び悩み、中流の危機が進行していることも持家市場不振の要因の一つと言える。国税庁の「民間給与実態調査」によると2021年の給与所得者の平均年収は433万円、平均年齢は46.9歳であった。世帯所得の中央値はこの25年で約130万円減少している。

国土交通省が公表する2022年度の住宅経済関連データからは、住宅一次取得世代である30歳代の厳しい所得・雇用環境がうかがえる。国税庁「民間給与実態調査」によると、平均年収は、30~34歳男性は、1998年の497万円から、2020年の458万円と7.8%減少、35~39歳男性は、1998年の578万円から、2020年の518万円と10.4%減少している。また近年、失業率が減少している一方で、雇用が不安定かつ賃金の低い非正規雇用率が年々上昇しており、2003年に3割弱であった非正規率(全体)は2020年に37.2%まで高まっている。

若年世代における住居費負担の割合も顕著に増加している。総務省「消費実態調査」および「2019年全国家計構造調査」によると、30歳未満の勤労単身世帯の1カ月当たりの消費支出に占める住宅費の割合は、1989年頃は1~2割程度であったが、次第にその割合が高くなり、2019年では男女ともに約4分の1を占めている。


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