2022.11.11

日本住環境、通気部材の主力商品をバージョンアップ

開口面積を拡大し屋根の長さがとれない住宅にも対応

日本住環境は軒ゼロ住宅のケラバや、軒裏換気などの通気部材「SEV-15」と「REV-15」をバージョンアップした。開口面積を大きくすることで、使用できる住宅の幅を広げる。

10月21日にバージョンアップしたREV-15

「SEV-15」、「REV-15」は、近年人気の高いキューブ型住宅などの「軒ゼロ」と呼ばれる住宅に向けた通気部材だ。

「SEV-15」は「軒ゼロ」のケラバに、「REV-15」は緩勾配の水上にそれぞれ対応する。胴縁に留め付ける「SEV-15」は外壁の施工業者向けとして2017年に発売。ジョイント部分が野地板キャップの役割も果たす「REV-15」は屋根の施工業者向けとして2019年に発売を開始した。どちらの部材を採用するかは、施工の手順や住宅に合わせて住宅事業者側に選択の余地がある。両商品とも、発売以来、毎年10数%増で売り上げを伸ばす主力商品だ。

同商品の大きな特長のひとつが、「1つの商品を様々な用途で使える一石三鳥、四鳥の商品開発を目指している」(営業本部 小林輝久課長)というように、ケラバだけでなく、片流れ屋根の水下側、水上側や軒アリ住宅の軒先への設置にも適していることだ。誰が施工しても品質にバラツキが少ないのも大きな特長だ。

より多くの住宅で使える部材に顧客の声を反映していく

ジョイントが野地板を覆い、キャップの役割も果たす

ただ、販売を続けるなかで、施工業者から通気部材の肝となる開口面積の拡大を求める声も聞こえるようになった。

通気層の出口として使う場合、通気部材への開口面積の制限はないが、軒アリ住宅の軒裏換気として使う場合は、必要な開口面積の条件がある。これまでの商品は、開口面積をとるために長さが必要で、都心の狭小住宅など、屋根の横幅が短い住宅への設置が難しかった。これに対し、今回のバージョンアップで開口面積を28%向上、より多くの住宅に採用できる商品に改良した。例えば、住宅金融支援機構の規定では、換気の出口が棟換気の場合、空気の入り口で使う部材は天井面積の900分の1以上が必要になる。2階天井面積が50㎡の住宅の場合、従来商品は、7.13mの長さを取り付ける必要があったが、バージョンアップにより5.56mの長さでの取り付けが可能となった。短くなったことで、住宅の形状によっては、屋根周りを1周カバーできるなどの使い勝手の良さが高まった。

一方で、開口面積を大きくすると、防水性能が落ちてしまう。今まで通りの防水性能を維持しつつ開口面積を大きくするために部品の大きさは変えず、強度を保って開口面積を大きくするため、空気の流れや、雨水の動き方を実験で検証。形状を工夫し開口面積の拡大を実現した。

今後については、「SEV-15」、「REV-15」を防火地域、準防火地域にも対応できるような商品にしていきたいという。「脇役に徹しつつ、お客様からの要望はできるだけ早く反映していきたい。販売が伸びているなかで、成長を止めずにどんどんパワーアップさせていきたい」(小林課長)と、さらなる商品力向上に力を入れる。