[パナソニック ホームズ]全壊でも建て替え保証

超高層ビルの構造技術を応用し、強固な住宅を提案

パナソニック ホームズは、2020年4月から大手ハウスメーカーで唯一の「地震あんしん保証」を展開している。地震の揺れによって住宅が全壊・半壊しても、建て替えや補修により、原状復帰を保証する。

同社の調査では、ここ数年、住宅購入者が重視するポイントは耐震性が不動の1位をキープしており、その割合は3割に及ぶ。東日本大震災をはじめ、大型の地震災害が頻発しており、住宅の耐震性は人命・財産を守ることに直結するためだ。住宅会社は耐震性を強化し、各社とも横並び傾向となっており、差別化することが難しくなっている。

パナソニック ホームズでは2020年4月より「地震あんしん保証」を付帯した住宅の販売を開始した。地震の揺れによって万が一、住宅が全壊および半壊した場合に、同社が購入金額の50%、最大5000万円まで補償を行い、原状復帰を保証するもので、大手ハウスメーカーでは同社だけが展開。主力の戸建住宅、集合住宅、賃貸併用住宅などが対象商品となっている。 

顧客からの反響も大きく、従来は「営業担当の人柄」が、成約に至った決め手のトップであったが、「地震あんしん保証」の開始以降、「耐震性」がトップに変化。「地震あんしん保証」が成約の決め手になる大きな武器となっている。営業部門のヒアリング調査でも、8割以上の社員が提案の際の強みになっていると回答。販売促進につながっており、2022年6月時点で、保証付き住宅の販売累計は約1万1000棟となっている。同社マーケティング企画部の北郷進也氏は「『地震あんしん保証』により、当社の住宅の強さを分かりやすく訴求できるようになった」と話す。

この保証を可能にしているのが、2011年6月に日本最大の加振能力を有する実験施設で行った耐震実験の結果と、過去の大地震の揺れによる倒壊がゼロという実績だ。耐震実験では油圧能力の限界に挑戦し、構造体の交換が必要になるような大きな損傷がなかったことから、高い耐震性を担保している。

そして、この高耐震性の秘密は、超高層ビルで用いられる「座屈拘束技術」と呼ばれる構造技術を応用して開発した、独自の制震フレーム「アタックフレーム」にある。斜材部に「座屈拘束+低降伏点鋼」を使用した制振装置「アタックダンパー」を採用することで揺れを低減し、地震による倒壊を防ぐ。

ニューノーマル時代のレジリエンス住宅
防災持続力と新しい快適な日常を両立


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