一億総おひとり様時代へ これからは自分の死後を考えることは当たり前になる
OAGライフサポート 太田垣 章子 代表取締役/黒澤 史津乃 シニアマネジャー
単身高齢者の増加、少子化などを背景に、おひとり様へのライフサポートの重要性が増している。おひとり様の終活をサポートする(株)OAGライフサポートを創設した太田垣章子代表取締役と、同社の黒澤史津乃シニアマネジャーに、創設の背景や現状について話を聞いた。
──創設された背景は。
太田垣 私は司法書士として不動産の現場で長年、高齢者サポートに取り組んできました。そのなかで高齢者に部屋を貸したくない大家さん、部屋を借りられない高齢者の実態に携わってきました。とくに問題になっていたのが賃貸に住む高齢者が亡くなると賃貸借契約も相続されてしまうため、第三者が荷物の処分や契約解約をできないことでした。煩雑な相続手続きが長期にわたると、その間部屋は稼働していませんから大家さんにとっては家賃収入がはいってきませんし、孤独死となれば次の借り手がつかず最悪建て替えの事態となったケースもあります。
私は国交省と全宅連の審議会メンバーとして亡くなった後の事務を存命中に請け負う「死後事務委任」の必要性をずっと訴えてきました。そしてついに昨年2月、国交省と法務省の「残置物の処理等に関するモデル契約条項」策定にいたり、死後事務委任契約が利用できることになりました。さらに国交省はこれまであいまいだった賃貸での事故物件の定義を示し、高齢者が老衰などで賃貸で亡くなっても事故物件ではないとなりました。
死後事務委任を長年訴え続け、高齢者の実態にもかかわってきたことから、まずは自らこの仕組みを活用していくべきだろうとの思いから創設したのがOAGライフサポートです。サービスの柱は、死後事務委任と見守りを組み合わせた「賃貸見守り」サービスと、身元保証や任意後見制度なども組み込み、家族に頼らずともいつ何があっても安心な「尊厳信託・フルパック」サービスです。
──尊厳信託とは。
太田垣 「尊厳信託」とは当社の造語ですが、自分が元気なうちに自分の意志(尊厳)で自分の人生の幕引きを誰が行うかを決めて託しておくということです。
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