住宅の脱炭素施策が大きく動き出す 省エネ化を徹底、ZEHの普及拡大へ本腰

住宅脱炭素化へのロードマップが策定

2050年の住宅脱炭素化に向けたロードマップが策定された。2025年度までの省エネ基準適合義務化や、2030年までの新築住宅でのZEH水準の省エネ性能の確保などが掲げられ、日本の脱炭素施策が大きく動きだした。


2021年8月、国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携による「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」(あり方検討会)は、2050年の住宅分野のカーボンニュートラルの実現に向けたロードマップを公表した。

ロードマップでは、省エネの徹底と再生可能エネルギーの導入拡大などで、2050年の住宅脱炭素化を目指す方針を掲げた。省エネの徹底では、ボトムアップを図るため、2025年度に住宅で省エネ基準への適合を義務化する方針を示した。さらに建築物省エネ法の誘導基準への適合率が8割を超えた時点(遅くとも2030年度までには)、省エネ基準をZEH基準(BEI=0.8及び強化外皮基準)に引き上げ、義務付ける。さらに、2050年度までにストック平均でもZEH水準の省エネ性能の確保を目指す。

ZEHレベルの住宅の拡大も図る。2022年度に、誘導基準、低炭素建築物、長期優良住宅の認定基準をZEH基準に引上げる。これに伴い、住宅性能表示制度においてZEH基準以上の等級を新たに設定(断熱等級と一次エネルギー消費量等級)する。

再生可能エネルギーの導入拡大に関連した施策では、2030年度までに新築戸建住宅の6割で太陽光発電設備の導入を目指す目標を掲げたうえ、将来的な義務化も示唆した。2030年の設置率6割の目標達成に向け、2022年度から、太陽光発電の導入促進に向けた消費者への情報提供を強化することや、ZEH・LCCM住宅などの普及拡大に向けた支援などで設置を促すとした。

住宅事業者での提案が活発化
戸建以外でもZEH化が加速


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