2020.8.19

ホームエクスプレス構造設計、ビルダー・プレカット工場向け構造設計支援サービスを開始

業務効率化を後押し 人手不足や長時間労働の課題解決へ

住友林業の100%子会社、ホームエクスプレス構造設計は、ビルダーやプレカット工場向けの構造設計支援サービスを始めた。設計業務の効率化などを後押しする狙いだ。


住宅設計は「意匠図の作成」や「構造計算」、「プレカット加工図の作成」をビルダー、設計事務所、プレカット工場がバラバラで動いているため、作業に時間や手間がかかっているのが現状だ。例えば、ビルダーがプレカット材を使う場合、プレカット工場と図面のやりとりをするが、その間に構造設計者として設計事務所が入るため、ひとたび図面などでの修正があると、意匠図に戻ってやり直しが発生する。こうしたやり取りは、ミスにつながりやすく、属人的に図面を作成するため同じ間取りでも人によって異なるなど、生産性や効率性の点から、これまで課題とされてきた。

同社は、こうした住宅建設の問題点を、AIを活用して解決しようと、今回新たに構造設計支援サービス「構造エクスプレス」を始めた。サービスは、福井コンピュータアーキテクトの3D建築CADシステム「ARCHITREND ZERO」で、ビルダーが作成した意匠図データを基に構造計算書、構造伏図、プレカットCAD連携データを同社が「HM-EX CAD」を使用し、自動生成する。その後、生成されたデータをプレカット工場に公開し、プレカット工場が加工、現場へ納品する。これにより、設計業務の時間短縮だけでなく、手戻りを防いだり、ムラもできず、ミスが起きにくくなるなど、業務の合理化・効率化が図れる。

同社によると、意匠図データから構造計算書・構造伏図・プレカットCAD連携データの生成にかかる時間は最短で3営業日。これまでは約30日かかっていたという。

設計業務だけでなく、コスト削減も期待できる。同社は昨年10月に設立したが、これまで全国各地でサービスを試行してきた。ある現場では鉄筋コストを従来比で25%削減できた。「これまでは経験や勘に頼っており、必要以上にコンクリートや鉄筋を使うなど過剰設計になることもある」と同社はみる。

また、耐震等級3の性能確保に必要な最適部材を自動算出するとともに、構造計算書を提供することで、地震に強く、設計図書の保存義務化に関する建築士法改正にも対応した安心・安全の住宅普及を促進する。今後はこのサービスが新たなスタンダードになることを目指してプロモーション活動の全国展開をし、2023年12月期にはビルダー300社、3000棟への提供を目標に掲げる。同社の永崎兵衛代表取締役は「ビルダー、プレカット工場、お施主様にとってまさに“三方よし”のサービス。人手不足、課題解決、地震に強い住宅の普及に貢献したい」と強調する。

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特集:

木促法改正で市場拡大に期待

利用期を迎えた国内の森林資源の活用、また、SDGs、脱炭素化といった観点から、木造建築推進の機運が高まっている。
2021年6月には、公共建築物木造利用促進法(木促法)が改正され、脱炭素社会の実現に向けて、一般建築も含めて、木造化を推進していく方針が打ち出された。
市場拡大への期待が高まる中で、事業者の動き、木造建築を建てやすくする技術開発が加速する。
中大規模木造市場攻略のポイントはどこにあるのだろうか。

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