身体能力が低下しても畳の上では自分でコントロールして生活しやすく

実践女子大学 生活科学部 生活環境学科 教授 橘弘志 氏

床座と住まい【後編】

1991年東京大学工学部建築学科卒業。現在、実践女子大学生活科学部生活環境学科教授。主な研究分野は、建築計画学・高齢者居住環境計画・環境行動学。主な著書に『北欧流「ふつう」暮らしからよみとく環境デザイン』(彰国社)、『福祉転用による建築・地域のリノベーション』(学芸出版)などがある

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──前回、畳や和室には、高齢者の記憶を呼び覚まし、自分がそこで生活しているという感覚を取り戻させる力があるのかもしれないとお聞きしましたが、多くの老人ホームなどの高齢者施設では、和室ではなく、洋室が中心です。

高齢者施設で畳や和室が導入されない理由の一つは、手入れの面倒さが挙げられるでしょう。フロアやタイルの方がメンテナンスは断然楽です。汚れもさっと拭き取ることが可能であり、臭いなども残りません。


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