2023.12.27

Amazon、Alexaの法人向けサービスを開始

一括導入、カスタマイズ、管理が可能 スマートホーム普及が加速

Amazonは、パーソナルAIアシスタントの「Alexa」を日本で初めてビジネス向けに提供するサービス「Alexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティー)」を開始した。Amazonと契約するソリューションプロバイダーを通じてAlexaのテクノロジーを、マンションはじめ、高齢者施設、ホテルなどの施設に大規模に一括して導入、管理、カスタマイズすることが可能で、費用対効果の高いサービスを実現しやすくなる。Alexaの認知度が高く、サービスカスタマイズの自由度も高いだけに、日本国内におけるスマートホームサービス普及に大きな弾みがつきそうだ。

Amazonから選定され、現在導入実績があるソリューションプロバイダーは、住宅領域はアクセルラボ、エネマネ領域はmui Lab、高齢者施設はNTTデータ、宿泊施設はTradFit、スマートシティはNTTビジネスソリューションズとなる。ソリューションプロバイダーは、Alexa Smart Properties専用のAPIを利用して、ニーズに合わせたソリューションやサービスを開発・実装することが可能になる。利用者のプライバシーにも配慮した。利用者は個人向けAlexa音声サービスで利用されるスマートスピーカー「Echo」と同様に、マイクオフボタンを押すことで、音声の聞き取り用のマイクをいつでもオフにできる。また、Alexa Smart Properties用に設定されたEchoを使用するため、自ら又は企業などを通じてAmazonに個人情報を提供することなくサービスを利用できる。

賃貸マンションに導入
サービスの標準化を実現

インヴァランスは、アクセルラボをソリューションプロバイダーに迎え、管理賃貸マンション「CREVISTA 品川西大井Ⅲ」にAlexa Smart Propertiesを採用。施設に関する情報を居住者に随時知らせることができる

新サービス活用の1つの領域として賃貸マンションなどが想定されている。従来のスマートホーム導入済物件の多くは、利用までのプロセスとして「ユーザーによる専用スマートフォンアプリのインストール」と「ユーザー認証(登録)」が必要であったが、Alexa Smart Propertiesでは、この過程が不要となり、よりスムーズに使い始めることができる。すでに賃貸マンションなどを中心にAlexa Smart Propertiesの実装もスタートしており、大東建託グループのインヴァランスは、同社の管理賃貸マンションである「CREVISTA 品川西大井Ⅲ」に採用した。専用のEchoデバイスが各部屋に設置されており、入居者は入居と同時にスマートホームをはじめとするAlexaの様々な機能を利用し、賃貸管理会社と手軽にコミュニケーションをとることができる。また、賃貸管理会社は、契約や施設などに関する情報を居住者に随時知らせることができ、居住者とのエンゲージメント向上の効果が期待できる。将来は、内見などの際もAlexaを通して施設やスマートホームなどの紹介ができるようになり、賃貸管理スタッフの業務を軽減し効率化を促進できるようになる。

インヴァランスの高橋社長は「カスタマイズしてサービスの質、ホスピタリティの向上につなげていく」と述べた

インヴァランスの高橋由崇代表取締役は「これまで賃貸管理業務のサービスの質は、属人的な要素に左右されることが多かったが、Alexa Smart Propertiesの導入によりサービスの均質化、標準化につながっていくと期待している。緊急時の情報伝達もよりスムーズに行える。日本のスマートホーム普及率は4%ほどと言われている。普及率アップに貢献していきたい」と話す。

「CREVISTA 品川西大井Ⅲ」では、ソリューションプロバイダーとしてアクセルラボがAlexa Smart Propertiesを実装した。スマートホームゲートウェイを含むIoT機器は従前通りアクセルラボがペアリングなどをして提供する。以前は、スマートスピーカー設定には、Alexaのアカウントを事前に確認し、Echoを利用できる状態にし、同社が提供するスマートホームサービス「SpaceCore」をダウンロードして連携する機器を一括操作できるようにしていた。Alexa Smart Propertiesがリリースされたことにより、Alexaのアカウントを登録することなくAlexa Smart Propertiesの管理画面から各Echoデバイスにスキルのセットアップなどができるようになった。

なお、アクセルラボの管理システムとAlexa Smart Propertiesの管理システムはデータ連携しているため、SpaceCoreのアプリをダウンロードし認証すれば、従来通りアプリでの操作も可能となる。なお、機器連携の範囲については、ソリューションプロバイダーとなるIoTプラットフォーマーなどが連携する機器次第であり、Matter対応のゲートウェイを持つIoTプラットフォーマーであればMatter対応も可能となる。

電力の使用状況を通知

そのほか、大阪ガスは、同社が管理し主にその社員と家族が居住する実験集合住宅「NEXT21」の一部住戸において、Alexa Smart Propertiesを採用。居住者は各部屋に設置されたEchoデバイスを通じてAlexaの様々な機能を利用できるだけでなく、Alexaスキルの「エネルギーダッシュボード」を利用して電力の使用状況などの情報を得ることができる。また、真夏や真冬などに電力需要がひっ迫した際には、エネルギーダッシュボードを通して同社から居住者に通知を送り、節電を促すこともできる。mui Labが、ソリューションプロバイダーとして同サービスを開発、実装した。同社が管理するmuiプラットフォームで得られた知見を活用して同施設向けに提供する。

賃貸戸建住宅にも標準導入

また、ケネディクスは賃貸戸建住宅シリーズ「Kolet」に2023年12月からAlexa Smart Propertiesを標準導入していく。アクセルラボが設置、設定、導入後のサポートをワンストップで行う。

ケネディクスは2021年8月からKoletの提供を開始した。2023年11月時点で1都3県に2200戸以上を供給する。サービス開始時から全戸にアクセルラボのスマートホームサービス、SpaceCoreを標準採用してきたが、居住者に新たな暮らしのUXを提供することを目指し、今回、AlexaとSpaceCoreを組み合わせた形で、Alexa Smart Propertiesを標準導入していくことを決定した。SpaceCoreアプリだけでは実現できなかった”音声”を活用したスマートホーム機器の操作や、管理会社からのお知らせを受け取ることも可能になる。