廃棄物から社会が見える 建材をつくる段階から環境配慮を
石坂産業 代表取締役 石坂典子 氏
埼玉県入間郡三芳町で、産業廃棄物処理を行う石坂産業は、最新設備の導入、独自の工夫などで処理が難しいとされる建設系産業廃棄物のリサイクル率98%を達成し注目を集める。石坂典子代表取締役は「建築材料が製造されてから50年後にどのように寿命を終えるのか。知らないでは済まされない時代が来ている」と話す。
──御社の資源再生の取り組みが注目されています。取り組みをスタートするきっかけを教えてください。
石坂産業は、私の父が創業した会社ですが、1999年、会社の存続が危ぶまれる危機に瀕しました。埼玉県所沢市で生産された農作物からダイオキシンが検出されたという報道が広がり、地元の農家に大打撃を与えたのです。報道をきっかけに有害物質の発生源は、廃棄処理に伴う焼却炉にあるという濡れ衣を着せられ、地元の産廃事業者は、地域住民から激しいバッシングを受けました。特に地元では大手の石坂産業への風当たりは強く、2001年、事実上の撤退、廃業を求める行政訴訟が起こりました。当時私は、会社で営業統括の仕事をしていましたが、大バッシングを受ける中で、父に「私を社長にしてくれ」と直談判しました。産業廃棄物処理という仕事は、悪者にされ、迷惑がられる仕事です。しかし、人が生活する上で、また企業が経済活動を行う上で、ゴミは必ず発生し、誰かがゴミを処理する仕事を担わなければなりません。
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