食生活の変化と住まい【前編】

流通ウォッチャー 代田 実 氏

食生活は「家族団欒」から「個食」へ
消費者の買物行動も大きく変化

家族の食生活が変わってきている。昔型の一家団欒で食卓を囲むという光景は減り、それぞれが食べたいものを食べる「個食」に。背景にあるのはライフスタイルの変化だ。これが住まいにどのような影響を与えるのか──。流通ウォッチャーの代田実氏に聞いた。

1983年、ダイエー入社。青果担当として店舗に6年在籍の後、青果商品部で17年間仕入・商品開発業務に携わる。2006年から人事教育担当。2014年両親の介護のため退職。現在、介護の傍ら「食品商業」中心に小売り、青果業界向けの執筆活動、セミナー講師等を務める

──平成の30年で日本の食生活はどのように変わりましたか。

食生活が一番変化したものを野菜の国内生産量で品目から推測すると、サトイモやレンコンなどが大きく減っています。反対に増えているのが、ブロッコリーを筆頭にレタス、トマトなどの洋風野菜です。これは日本人の食生活が、これまでの魚、煮物中心の食生活から、肉料理やサラダを食べる洋風化に変わってきていることを意味します。

その背景には、ライフスタイルの変化があります。昭和から平成の中ごろまでは、家族で食卓を囲んで、家族みんなで同じものを一緒に食べるため、煮物や鍋物の料理が中心でした。今は、家族それぞれで生活習慣や行動が違うことから、それぞれが食べたいものを食べるという「個食」という食生活に移っているため、特に大きな鍋で、ドーンと作る煮物料理を作る家庭は減ってきています。


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