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多様なメンバーでリノベ事業を展開 民家から生まれたゲストハウスに多くの海外客

case1. 和歌山県田辺市

The CUE(ザ・キュー)は築80年の庭付きの二階建て民家を賃貸で借り受けリノベーションしたもの。ホステルゲストハウス)でカフェバーとシェアハウスが併設されている。1階がゲストハウスで4部屋。最大12名が泊まれる。2階が3部屋あるシェアハウス。人気の拠点となっている。場所は和歌山県田辺市、紀伊田辺駅より徒歩2分の中心市街にある。オープンしたのは2017年。店名はテレビの進行で「キュー」を出すの、出発、始まり、の合図の意から採られている。資金は日本政策投資銀行から700万円の融資を受け、残り300万円をクラウドファンディングで集めた。宿泊は稼働率6〜7割。その8割はオーストラリア、イギリスを中心とした豪欧州の海外客だ。

手掛けたのは有限責任事業組合LLPタモリ舎。組合名は田辺市を守り、盛り上げるとの意が込められている。メンバーは中村工務店/中村文雄さん、土地家屋調査士/田中事務所の田中弘志さん、内装工事を手掛ける(株)横田/横田圭亮さん、南紀ガス/鈴木大輔さん、てんつくゲストハウス/桜井保典さんの5人。連携することでリノベーション事業ができるようになっている。

築80年の庭付きの二階建て民家を賃貸で借り受けリノベーションしたThe CUE
The CUEのカフェバーで行われたたなべ未来創造塾の懇談会

実は、田辺市もほかの市町村と同じで中心市街地に空き家が増えている。そんななかで、なぜ民家から生まれたゲストハウスとカフェバーが人気を博し、海外客が多く来ているかというと、田辺市は、紀伊山地の霊場と参詣道(奈良県、和歌山県、三重県)が2004年世界遺産に登録され、市が県と連携して豪欧州にプロモーションをかけてきたからだ。それも地元で立ち上げた「田辺市熊野観光ツーリズムビューロー」が中心となり、地域を主体とした海外客誘致を行ってきた。旅行代理店に任せず地元のスタッフが日英マップ、旅館・ホテル・神社・主要駅など要所ごとの英語対応指差し英語作成やワークショップを重ね、受け入れ体制を作ることをしっかりしてきた。それで海外客が増えることにつながったが、その受け皿としての宿泊施設が足りないという事情が生まれていた。また海外客の調査もされていて、田辺市の美味しいものが気になる。時間を使う場を探している。7割がJRパスを持っている。熊野古道に行っているが街中にも来ているなども明らかになっている。

一方で、田辺市は2016年、若い人たちの起業を支援し産業を創るプロジェクト「たなべ未来創造塾」を立ち上げた。この塾に田辺市役所の担当者が声をかけ、参加することとなったのが中村さんと横田さんだった。塾は14回構成で市と地域人材育成で実績のあった富山大学との連携事業。田辺市内の20代から40代で、起業志望のある若者を公募と推薦で募り、役場の担当が事前に面接をして事業プランをヒアリングしてから12名が選抜された。

しかも塾生が将来連携をすることで新たな事業につながるように、工務店、家具店、旅館業、加工業、食品運送業、介護士、デザイナー、農業、食品加工業、メディアなど多様なメンバーで構成されている。実際、 The CUEの立ち上げに当たっては農業と食品加工のメンバーが加わりメニュー開発も手掛け、WEBや新聞社の若手もいたことから情報発信までが一貫してできる連携ができたのである。塾では市、大学、日本能率協会から、市をとりまく人口動態、産業、空き家率、高齢化など現状がわかる具体的なデータが提示され、そのなかからどんな事業ができるかというプランと討議を重ね、起業にむけたプレゼンテーションを行う形で実施された。同時に日本政策投資銀行による補助金、事業計画のつくりかた、クラウドファンディング講座などが行われ、融資も受けやすくなっていたのである。

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ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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