“対話”で町民と一緒にまちをつくる 実効性のある政策で社会増減ゼロへ
地域活性化の成功事例に学ぶ:菅野大志(西川町 町長)
山形県のほぼ中央に位置する西川町は、山々に囲まれた豊かな自然と、出羽三山文化がある町だが、近年は高齢化、過疎化が深刻となっていた。そうした中、2022年に就任した菅野大志町長は、地域に活気を戻そうと様々な策を打ち出している。
──以前は中央省庁で勤務されていたそうですが、西川町の町長になろうと思われたきっかけは何ですか。
財務省、金融庁、内閣府、内閣官房、環境省の5つの省庁での勤務経験がありますが、いずれも地方創生を担当していました。例えば、内閣官房に務めていた際は、まち・ひと・しごと創生本部やデジタル田園都市国家構想実現会議事務局で地方版総合戦略の方針づくりのサポートなど、総括的な業務にあたっていました。
ただ、お盆や正月に地元の西川町へ帰ってくる度に、お店がなくなっていたり、お世話になった方が亡くなっていたりと衰退を感じていました。
特に人口減少は深刻な課題であると感じました。地方創生の限界として、高齢化率が45%を上回り、人口が4000人を切ると、そこから人を増やすのは難しい。就任当時、町の高齢化率はすでに45%を超えており、人口が4700人で、年間100人のペースで人口が減少すると想定して、あと7年が勝負どころ。どうにか立て直さないといけないという危機感がありました。
──人口減の危機を立て直すため、町長に就任されてからどのようなことに取り組まれましたか。
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