2018.7.27

機能ガラス普及推進協議会 防災安全ガラスの認知拡大、普及促進へ

公立小中学校への寄贈活動などを推進

機能ガラス普及推進協議会は避難所となる公立小中学校での「防災安全ガラス」の採用を推進するため、自治体を中心に認知拡大・普及促進に向けた取り組みを行っている。年間2校を目標に寄贈活動を行うほか、イベントなどへの参加によるPR活動を強化する考え。

機能ガラス普及推進協議会は、板硝子協会会長の島村琢哉氏が会長を務め、生産・流通・販売に関わる7団体によって構成されている。平成5年の設立以来、建築物や住宅の安全性・居住性の向上に寄与する機能ガラスの普及推進を目的に活動を行っている。

文部科学省は「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引」のなかで、学校に子どもたちの学習・生活の場として快適で十分な安全・防災性を備え、非常災害時には避難場所としての重要な役割を果たすことを求めたうえで、長寿命化対策として壁や窓などの断熱性能の向上や防災機能の強化などを要求している。その同協議会は近年、国内の避難所の70%以上を占める公立小中学校の体育館へ「防災安全ガラス」の採用を推奨、その普及に乗り出すことになった。

防災安全ガラスとは2枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間膜を挟み熱圧着したガラスのこと。耐貫通性に優れ、万が一破損しても飛び散らないため破片によるけがなどを防止できるほか、穴も空きにくいのでガラスが破損しても雨風を防げるという特長をもつ。このような高い性能を有する防災安全ガラスを自治体を中心に提案、普及促進・認知拡大に努めている。たとえば地域イベントへの積極的な参加や文部科学省主催の展示会「ぎゅっとぼうさい博!」へ出展。昨年からは板硝子協会が(一社)文教施設協会の会員となり、(一社)文教施設協会が全国で主催する耐震改修などに関するセミナーにおいて防災安全ガラスの特長や性能の高さをPRしている。

出張授業では児童に異なる4種類のガラスを割ってもらい性能の高さをPRした
2枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間膜を挟み熱圧着した防災安全ガラスは耐貫通性に優れ万が一破損しても飛び散らない

年間2校を目標に寄贈活動と出張授業

昨年度より防災安全ガラスの寄贈活動も公立小中学校の体育館を中心に進め、5月に第二弾として岡山県和気郡和気町立本荘小学校の体育館に防災安全ガラス153枚を寄贈した。寄贈式当日には出張授業として「ガラスのあんぜん・あんしんエコ講座」や「ガラス破壊デモンストレーション」を実施。児童に防災安全ガラス・強化ガラス・網入りガラス・フロートガラスの4種類のガラスを割ってもらい性能の高さをPRした。「子どもたちにガラスに興味を持ってもらうきっかけとして寄贈式とセットで出張授業を行っているが、好評だ」(同協議会)。年間2校の寄贈を目標に進めているという。

平成27年度の公立小中学校の体育館における防災安全ガラスの普及率は1.7%。認知拡大、普及促進に向けPR活動を強化していく。