新発想の構造を採用した金属横葺屋根「断熱ビューティルーフ2型」を開発した。金属板を施工する前に、独自の形状に加工した断熱バックアップ材を施工することで、優れた防水性能、耐風圧性能などを付与。また、強度性能、施工性の向上にも寄与する。同社初の試みとして、屋根工事事業者で構成する会員組織以外にも、一般販売を開始し、住宅市場の開拓を目指す。

新発想の構造を採用した金属横葺屋根「断熱ビューティルーフ2型」。バージョンアップした住宅換気棟や金属雨樋「元旦内樋」とセットで提案を強化していく考えだ

元旦ビューティ工業(神奈川県藤沢市、舩木元旦取締役会長)は、新発想の構造を採用した金属横葺屋根「断熱ビューティルーフ2型」を開発し、販売を開始した。

同社では、従来から断熱ボードを金属板の裏面に一体成形することで、優れた断熱性能を発揮する住宅向け横葺金属屋根「断熱ビューティルーフ」を販売してきた。非住宅分野で培ってきた金属屋根のノウハウを活かした独自のジョイント形状などを採用し、雨水の浸入を金属板同士が噛み合うハゼの部分で防ぐことで、高い防水性能、耐風圧性能などを実現している。ただ、野地板に下葺材を施工後、すぐに屋根工事を完了しなければならないことが制約の一つとなっていた。一般的に屋根工事では、野地板に釘で下葺材を止めつけて施工するが、その状態で強雨にさらされれば、釘穴から野地板にまで雨水が浸入するリスクが高まるほか、強風により下葺材が飛散する懸念があるためだ。また、金属板のハゼの先端部分が空洞になっており、作業者が踏むなどして荷重が加わることで、潰れてしまう懸念がある。施工には細心の注意が求められるため、同社では、全国元旦会という優れた施工技術を持つ屋根工事事業者で構成する会員組織を通じて販売し、普及を図ってきた。

金属板のハゼの先端部にまで断熱バックアップ材が入り込む独自の構造を採用することで、強度性能の向上を図った

金属板を施工する前に野地板の上に敷く、断熱バックアップ材。表面、裏面には、雨水などを排出するための溝加工を施した

断熱バックアップ材が二次防水に
屋根工事を合理化

こうしたなかで、同社は、屋根工事のさらなる合理化を目指し、断熱ビューティルーフ2型を開発した。

肝となるのは、金属板を施工する前に野地板の上に敷く、断熱バックアップ材だ。断熱バックアップ材の表面、裏面には、雨水などを排出するための溝加工を施し、また、断熱バックアップ材同士の重なり部には、あいじゃくり加工を施し、密着して施工できるように配慮した。これにより結露により発生した水や、万一浸入した雨水を軒先へ排出できる機能を持たせた。断熱バックアップ材には、ビス打ちする箇所を示したビスガイドを設けた。下葺材を施工した野地板の上に、ビスで直打ちして固定することで、施工中の雨養生、下葺材の飛散防止の役割を果たす。

断熱バックアップ材の上に金属板を被せて施工完了となるが、金属板同士のジョイント部にも、継手カバーの不要な「柵(しがらみ)ジョイント」と呼ばれる密着性の高い形状を採用。施工性を高めるとともに、防水性能、耐風圧性能の向上に寄与する。金属板が一次防水、断熱バックアップ材が二次防水、下葺材が三次防水の役割を果たすことで、より高いレベルで防水性能を発揮する。

加えて、金属板のハゼの先端部にまで断熱バックアップ材が入り込む独自の構造を採用することで、強度性能の向上を図った。荷重を加えても潰れる心配はない。積雪にも強い。金属板の素材には高い耐候性を備えたガルバリウム鋼板などを用意。美観を長期にわたり維持する。

リフォームにも適している。「断熱バックアップ材の裏面に施した溝加工が、既存の屋根の不陸を吸収するため、現場調整がしやすい。既存のスレート屋根などの上から被せて簡単に屋根リフォームが行える」(同社)としている。軽量な金属屋根は、建物への負担が少なく、地震被害に強いという特性も備えている。

施工の合理化、強度性能の向上を図った断熱ビューティルーフ2型は、誰が施工しても均一な性能を発揮する金属屋根材と言える。同社では、初の試みとして全国元旦会以外にも一般販売を本格的に開始し、住宅市場の開拓を進めていきたい考えだ。

施工の合理化、強度性能の向上を図った断熱ビューティルーフ2型は、誰が施工しても均一な性能を発揮する金属屋根材と言える

バージョンアップした換気棟や雨樋とセットで提案

同社は、断熱ビューティルーフ2型と組み合わせて使用できる「住宅換気棟」も新たに開発した。特殊な形状のルーバーを搭載することで、換気性能と水密性の両立を図ったほか、換気棟に当たる風の流れをコントロールする「頂部ウイング」を換気棟の頭頂に設置することで、小屋裏に溜まる空気の排出機能を高めた。

さらに同社では、断熱ビューティルーフ2型と併せて、屋根と一体化する金属雨樋「元旦内樋」とのセット販売も強化していきたい考え。元旦内樋は、吊り金具などが表に出ない独自の構造を採用することで、軒先をすっきりと仕上げられるように配慮した新発想の金属雨樋。落葉よけカバーを搭載することで、雨樋自体の強度性能の向上、メンテナンスコストの大幅な削減に寄与するほか、屋根工事のコスト削減効果も期待できる。