ZEH超えるGX志向型住宅の普及を後押し
国交省・環境省が補助制度も検討
ZEH水準を超える「GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅」の普及を図っていく方針が、GX実行会議の専門家ワーキングで示された。
GX志向型住宅とは、ZEH水準の要件である「断熱等性能等級5」、「一次エネルギー消費量等級6」を超える省エネ性能の確保や、再生可能エネルギーの自家消費を拡大するための設備の導入を図ることで、バリューチェーン全体でGX投資の促進に貢献する住宅のこと。
詳細は今後検討していくことになるが、例えば熱貫流率0.2~0.4〔W/(㎡・K)〕の確保や、太陽光電池と連動する蓄電池の導入などを求めることなどを想定している。
2025年4月に省エネ基準への適合が義務化されるが、それ以降、2030年までに省エネ基準をZEH水準に引き上げることが決定している。加えて、2050年までにストック平均でZEH基準を達成するという目標を掲げており、そのためにはZEH基準をさらに上回る住宅を普及させていく必要がある。
そこで、「GX志向型住宅」の普及を後押しすることで、住宅ストック全体の性能水準を押し上げていきたい考え。
さらに、近年では厳しい国内市場の状況を考慮し、海外市場に目を向けて積極的な事業展開を進める住宅事業者が増えつつある。「GX志向型住宅」の普及を通じて、国内企業がZEH水準を上回る住宅供給に関するノウハウを培うことで、海外の現地ビルダーに対しても優位に事業を進められる可能性が高まる。その結果、国内住宅事業者の海外進出が進み、その収益を国内に還元することができれば、GXを通じて日本経済のさらなる成長につながることも期待できる。
ただ、ZEH水準を超える省エネ性能を確保するためには高性能な断熱材、窓、給湯器といった建材・設備の導入が不可欠であり、相当なかかり増し費用が発生するため、消費者に受け入れてもらうことは現状難しいことが想定される。
こうした状況を考慮し、国土交通省と環境省では、GX志向型住宅の普及に向けた補助制度を新たに創設することを検討中だ。2024年度の補正予算案に盛り込みたい方針で、より手厚い支援が行われることが予想できそうだ。
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